コレステロールが高い原因とは?症状や食べ物についても解説
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日本赤十字社医療センター、虎の門病院で産婦人科医として臨床経験を積む。「忙しい女性がもっと気楽に相談できる場所を作りたい」との想いを胸に、2024年11月、オンライン診療専門のシンクヘルスクリニックを開院。
婦人科(生理痛・更年期)、皮膚科、医療用漢方など、女性ならではの悩みに幅広く対応。心のケアも大切に、一人ひとりが安心して自分の体と向き合えるようサポートしている。
目次
1 コレステロールとは
1.1 コレステロールの役割と2つの種類
1.2 健康診断で見るべき基準値
2 コレステロールが高くなる原因は?
2.1 食生活の乱れが最大の要因
2.2 遺伝や病気が関係していることも
3 コレステロール値が高いとどうなるのか
4 どんな生活習慣が影響するの?
4.1 運動不足とストレスが関係する
4.2 年齢・性別による変化も重要な要素
6 受診の目安と検査の内容
7 まとめ
健康診断で「コレステロールが高い」と言われて驚いた経験はありませんか?
自覚症状がないため見過ごされやすい一方で、放置すると動脈硬化や心臓病のリスクが高まります。
この記事では、コレステロールの役割や基準値、高くなる原因、生活改善法、医療の関わり方まで、わかりやすく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
コレステロールという言葉を聞くと「体に悪い脂質」というイメージを持つ方も少なくありません。
しかし、実際には私たちの体にとって欠かすことのできない重要な成分のひとつです。コレステロールは、食事から摂取されるだけでなく、肝臓などの体内でも合成されており、日々の生命活動を支えるさまざまな役割を担っています。
ここではまず、コレステロールが体内でどのような働きをしているのか、そしてその種類と役割の違いについて詳しく見ていきましょう。
コレステロールは脂質の一種で細胞膜の材料・ホルモンの合成・胆汁酸の生成などに関わる、生命維持に欠かせない物質です。
しかし、必要量を超えて増えてしまうと、血管に負担をかけ、さまざまな病気のリスクを高めてしまいます。
コレステロールには主に2種類タイプあります。
・LDL(悪玉)コレステロール:血液を通して体内にコレステロールを運ぶ役割を果たしますが、過剰になると血管の壁に蓄積して動脈硬化の原因となるのです。
・HDL(善玉)コレステロール:余分なコレステロールを肝臓に戻して体外へ排出する「掃除屋」のような働きをします。
日本動脈硬化学会の基準によると、以下の数値が目安になります。
・LDLコレステロール:140mg/dL未満(高リスクの方は120mg/dL未満)
・HDLコレステロール:40mg/dL以上
・中性脂肪:150mg/dL未満
・総コレステロール:200mg/dL未満(参考値)
LDLコレステロールが高く、HDLコレステロールが低いという状態は、動脈硬化が進行するリスクが高いため、早期の対策が必要です。
コレステロールが高くなる原因には
・食生活の乱れ
・運動不足
・遺伝や病気
が考えられます。
健康診断でコレステロール値の異常を指摘された際、最も気になるのは「なぜ自分が高くなったのか」という原因です。
コレステロールが高くなる背景には、食生活の乱れをはじめ、運動不足、ストレスの影響、さらには遺伝や病気といった体質的な要素まで、さまざまな因子が関係しています。
特に、現代のライフスタイルでは高脂肪・高糖質の食事や不規則な生活が当たり前になっており、自覚のないままリスクが蓄積しているケースも少なくありません。
コレステロール値が高くなる原因の代表は、脂質の多い食事や糖質の過剰摂取です。
バターやラードなどの飽和脂肪酸、マーガリンやスナック菓子に含まれるトランス脂肪酸はLDLを増加させます。
また、糖質の多い白米や菓子パン、甘い飲料の摂りすぎは中性脂肪を上げ、HDLの働きを低下させます。
改善策としては、青魚(サバ、イワシなど)やナッツ類、豆類、海藻、野菜中心の食生活に切り替えることです。とくに、朝はオートミールと豆乳、昼は魚中心の定食、夜は油控えめの和食など、食物繊維と良質な脂を取り入れる工夫が大切です。
コレステロールが高くなる原因は、生活習慣だけではありません。家族性高コレステロール血症や甲状腺機能低下症など、体質や病気が関係しているケースもあります。
例えば、家族にコレステロールが高い人が多い、あるいは健康的な生活をしているのに数値が高いという場合は、遺伝や基礎疾患の可能性を疑い、医師に相談することが大切です。
コレステロール値が高い状態が続くと、血管の中の壁にLDLが蓄積し、動脈硬化が進行します。
これにより血管が硬くなり、詰まりやすくなるため、
・心筋梗塞
・狭心症
・脳梗塞
・末梢動脈疾患
などの発症リスクが高くなります。
さらに、目に見えないところで進行するため、自覚症状がないうちに命に関わる事態に至ることもあるのです。
動脈硬化は「沈黙の病気」とも呼ばれるため、数値が正常でも40歳以上の方や生活習慣に不安がある方は、定期的な血液検査を受けることが推奨されます。
コレステロール値は、
・食事内容
・運動不足やストレス
・年齢や性別による変化
などに影響を受けます。
コレステロール値の異常は、日々の生活習慣とも密接に関係しています。食事内容だけでなく、運動の有無、ストレスの蓄積といった日常の行動が、脂質代謝に影響を与えることがわかっています。
とくに現代では、忙しさやストレスから運動不足に陥りやすく、不規則な生活が続くことで、知らず知らずのうちにコレステロールが増加していることも少なくありません。
ここからは、コレステロール値に影響を与える代表的な生活習慣について詳しく見ていきましょう。
運動不足や慢性的なストレスも、コレステロール値を上昇させる原因となります。
適度な運動はHDLコレステロールを増やし、脂質の代謝を改善する効果が期待できるのです。ストレスはホルモンバランスを乱し、コレステロール合成に影響を及ぼします。
例えば、デスクワーク中心でほとんど体を動かさない方は、週に3回程度のウォーキングを取り入れるだけでも、数値の改善につながる可能性があるのです。
40代以降になると、代謝機能の低下により脂質の処理が追いつかなくなり、数値が上がりやすくなります。
また、女性は閉経後にエストロゲンが減少し、コレステロール値が急上昇する傾向があります。これにより、閉経前と比較して動脈硬化や心疾患のリスクが増すため、年齢とともに生活の見直しが重要です。
健康診断でLDLが140mg/dL以上、中性脂肪が150mg/dL以上であれば、放置せず内科への受診を検討しましょう。
また、家族に脂質異常症や心筋梗塞の既往がある方は、定期的に血液検査を行い、少しでも異常があれば医師に相談することが大切です。
検査では、血液検査に加えて、
・頸動脈エコー
・ABI(足関節-上腕血圧比)
・心電図
などで動脈硬化の進行を評価することがあります。
適切な診断と治療により、将来の重大な疾患を予防しましょう。
コレステロールが高くなる原因には、
・脂質の多い食生活
・運動不足
・ストレス
そして体質や病気など、さまざまな要素が関係しています。
そのため、まずはご自身の生活習慣を見直し、必要であれば医療機関での検査を受けることが重要です。
健康診断で「高い」と言われた場合は、原因を正しく知り、早めに対策をとることで将来の動脈硬化や心血管疾患の予防につながります。
当院では脂質異常症(コレステロール)の診察も行っております。検査数値が気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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