眠れないママへ。産後・授乳期の不眠について、お薬やセルフケアのポイントを産婦人科専門医が解説
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日本赤十字社医療センター、虎の門病院で産婦人科医として臨床経験を積む。「忙しい女性がもっと気楽に相談できる場所を作りたい」との想いを胸に、2024年11月、オンライン診療専門のシンクヘルスクリニックを開院。
婦人科(生理痛・更年期)、皮膚科、医療用漢方など、女性ならではの悩みに幅広く対応。心のケアも大切に、一人ひとりが安心して自分の体と向き合えるようサポートしている。
目次
1 眠れないママへ。産後・授乳期の不眠について、お薬やセルフケアのポイントを産婦人科専門医が解説
2 産後・授乳期の不眠は、多くのママが経験する悩みです
3 まず試したい、産後・授乳期のセルフケア
4 こんなときは早めに受診を考えましょう
5 授乳中でも、お薬について医師に相談できる場合があります
6 眠れないつらさは、相談してよい症状です
7 専門医によるご相談を受け付けています
赤ちゃんがやっと寝てくれたのに、なぜか自分は眠れない。
眠らなきゃと思うほど目が冴えてしまい、夜が来るのが怖くなる。そんなつらさを抱えていませんか。
産後・授乳期の不眠は、決して珍しいことではありません。私自身も産後に眠れずに悩んだことがありました。一方で、眠れない日が続くと、心も体もすり減ってしまい、産後うつや体調不良のきっかけになることがあります。
この記事では、産後・授乳期に眠れなくなる理由、まず試したいセルフケア、受診の目安、授乳中でも相談可能な治療について、わかりやすく解説します。
| 産後・授乳期の不眠は、多くのママが経験する悩みです

産後は、夜間授乳や赤ちゃんのお世話で睡眠が細切れになりやすい時期です。そこに加えて、出産後のホルモン変化、育児への緊張、不安、生活リズムの大きな変化が重なることで、赤ちゃんが寝ていても自分だけ眠れないこともあります。産後は気分の落ち込みや不安が強くなることもあり、不眠がそのサインとして現れる場合もあります。
「産後は眠れなくて当たり前」と言われることもありますが、
・眠れないこと自体がつらい
・眠れないせいで日中も涙が出る
・気持ちに余裕がなくなる
といった状態が続くなら、無理をしているサインかもしれません。
まずお伝えしたいのは、これはあなたの頑張り不足ではない、ということです。産後の体と心は大きく変化しており、眠れなくなるのには理由があります。
産後はホルモンバランスの変化に加えて、授乳や夜泣きによる睡眠不足、赤ちゃんを守ろうとする緊張や不安が重なり、心も体も眠りに入りにくくなりやすいのです。
| まず試したい、産後・授乳期のセルフケア

不眠に対するセルフケアとして、次のような方法があります。全部できなくても大丈夫です。取り入れやすいものから試してみてください。
| 短めの昼寝を活用する
夜にまとまった睡眠がとれない時期は、日中のすきま時間の仮眠が助けになります。15〜20分程度の短い昼寝は、疲労感の軽減に役立ちます。長く寝すぎると夜の眠りに響くことがあるため、短めを意識するとよいでしょう。
| 朝の光を浴びる
朝起きたらカーテンを開けて光を浴びることは、体内時計を整える助けになります。朝と夜のメリハリがつくと、夜に自然な眠気がきやすくなります。
| 寝る前のスマホを減らす
夜間授乳や寝かしつけのあとの一人時間、ついついスマホをさわり勝ちですが、寝る前にスマホを見ると眠りに入りづらくなることがあります。できる範囲で、寝る前は画面を見る時間を短くしてみてください。
| 「眠れない時間」に自分を責めない
眠れない時間が続くと焦りますが、「今は休んでいるだけでもいい」と考えることが、かえって緊張を和らげることがあります。不眠の悪循環を断つには、眠れない自分を責めすぎないことも大切です。
| こんなときは早めに受診を考えましょう

産後の不眠はセルフケアで改善することもありますが、次のような場合は医療機関への相談をおすすめします。
・眠れない日が続き、日中の生活に支障が出ている
・気分の落ち込みや不安、イライラが強い
・涙が止まらない、何も楽しめない
・赤ちゃんのお世話がつらすぎると感じる
・自分を責める気持ちが止まらない
・自分や赤ちゃんを傷つけたくなる気持ちがある
産後うつは出産後1年以内のどの時点でも起こりえます。
また、混乱が強い、現実感がおかしい、声が聞こえる、ひどく興奮するなどの症状がある場合は、産後精神病など緊急性の高い状態の可能性があり、早急な医療対応が必要です。
| 授乳中でも、お薬について医師に相談できる場合があります

「授乳中だから睡眠薬は使えないのでは」と心配される方は多いですが、実際には、授乳状況、赤ちゃんの月齢や健康状態、不眠の程度を確認したうえで、治療を検討することがあります。
大切なのは、自己判断で市販薬や手元の薬を使わないことです。授乳中の不眠治療では、原因を評価したうえで、必要な場合に短期間・最少量で使うことが基本になります。
| 漢方薬

産後や授乳中でも使用できる漢方薬はあります。冷え、疲れやすさ、気分の落ち込み、神経の高ぶりなど、全身状態をふまえて、どの漢方薬にするかを選択します。ただし、漢方も体質や併用薬によって向き不向きがあるため、「自然のものだから誰でも安心」とは言えません。授乳中も含め、医師に相談して選ぶことが大切です。
| 睡眠薬・睡眠導入薬

なかなか不眠症状が改善しない場合は、睡眠薬が選択されることもあります。
睡眠薬を使用するには、注意が必要な場合もありますが、授乳中は絶対使用できない、というわけではないので、お悩みの方はお気軽に医師にご相談ください。
一方で、薬が必要に見えても、背景に強い不安や産後うつがある場合には、睡眠薬だけでなく、心の不調そのものへの対応が必要なこともあります。
| 眠れないつらさは、相談してよい症状です

「こんなことで受診していいのかな」と迷う方もいますが、産後・授乳期の不眠は、我慢しすぎないでほしい症状のひとつです。
少し眠れるようになるだけでも、気持ちに余裕が生まれ、赤ちゃんとの時間が少し楽に感じられることがあります。ママが休めることは、赤ちゃんにとっても大切なことです。
当院ではオンライン診療をとおして、産後・授乳中のママの不眠相談も受け付けています。必要に応じてお薬の処方も可能であり、院内に在庫があるお薬はご自宅にお届けすることもできます。(一部、院外処方で薬局受け取りになるお薬もあります)
赤ちゃんがいるとなかなか受診をするのは大変ですが、オンライン診療であれば自宅にいながらスマートフォンを使用して受診することができます。
つらさが限界になる前に、一人で抱え込まずにご相談ください。セルフケアで様子をみてよい段階なのか、治療を考えたほうがよいのかを、一緒に整理していきましょう。
| 専門医によるご相談を受け付けています
「今日こそ少しでも眠りたい」
「授乳中だけど、使える薬があるのか知りたい」
「自分の不眠が普通の範囲なのか相談したい」
そんな方は、どうぞ無理をなさらずご相談ください。あなたの体調や授乳状況に合わせて、無理のない対策を一緒に考えていきます。
