お酒を飲むと下痢になりやすいのはなぜ?原因・対策・“急な下痢”への備えを解説【オンライン診療でも処方可】
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シンクヘルスクリニック 院長
岩佐美穂
資格(産婦人科専門医、日本抗加齢医学専門医、がん治療認定医)
所属学会(日本産科婦人科学会、日本成人病(生活習慣病)学会、日本抗加齢医学会、日本癌治療学会)
日本赤十字社医療センター、虎の門病院で産婦人科医として臨床経験を積む。「忙しく頑張っている人がもっと気楽に相談できる場所を作りたい」との想いを胸に、2024年11月、オンライン診療専門のシンクヘルスクリニックを開院。
内科、皮膚科、医療用漢方、婦人科など、受診者の悩みに幅広く対応。心のケアも大切に、一人ひとりが安心して自分の体と向き合えるようサポートしている。
目次
1 お酒を飲むと下痢になるのはなぜ?実はよくある“体の反応”
1.1 悩んでいるのはあなただけではありません
1.2 下痢が起きやすい体質と飲み方の関係
2 お酒を飲むと、なぜ下痢が起きるの?メカニズムを解説
2.1 アルコールが腸を刺激し、吸収が乱れる仕組み
2.2 腸の動きが活発になりすぎる「蠕動運動」の亢進
2.3 冷たいお酒や脂っこいおつまみの影響
3 突然の下痢でも安心。薬を手元に置いておくという選択肢
3.1 漢方薬「五苓散(ごれいさん)」による水分の調整
3.2 オンライン診療で事前に備えるメリット
4 お酒と上手につきあうための5つの対策
4.1 空腹で飲まない
4.2 お酒と水を交互に飲む
4.3 温かいメニューを加える
4.4 おつまみの刺激を減らす
4.5 体質からのケア
5 こんな下痢は「飲みすぎ」だけでないことも。受診の目安
5.1 早めに受診したい症状
6 まとめ:下痢を防ぐ飲み方と、手元に薬がある安心感を
仕事の付き合いや友人との会食でお酒を飲んだ翌日、激しい腹痛や下痢に襲われた経験はありませんか?
「昨日は少し飲みすぎたかな」と反省しつつも、何度も繰り返す症状に不安を感じている方は少なくありません。
実はお酒による下痢は、アルコールが持つ特定の作用によって引き起こされる、非常に一般的な生体反応です。
この記事では、飲酒後に下痢が起きるメカニズムや翌日に不調を残さないための具体的な対策について詳しく解説します。 いざという時に困らないための「備え」についても紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
| お酒を飲むと下痢になるのはなぜ?実はよくある“体の反応”
お酒を飲んだ翌朝に便がゆるくなるのは体質や飲み方が原因であって、あなただけの特別な悩みではありません。
多くの人が経験しているこの現象には、医学的な理由がしっかりと存在しています。 まずは、なぜアルコールが体にそのような影響を与えるのか、その背景を知ることから始めましょう。
| 悩んでいるのはあなただけではありません

「自分は胃腸が弱いのではないか」と一人で抱え込む必要はありません。
アンケート調査などでも、飲酒後に便通の異常を感じる人は非常に多いことがわかっています。
アルコールは適量であればリラックス効果をもたらしますが、過剰になると消化管に負担をかけます。 これは毒素を排出しようとする体の自然な防御反応ともいえるため、過度に恐れる必要はありません。
| 下痢が起きやすい体質と飲み方の関係
お酒で下痢になりやすいかどうかは、もともとの体質やその時の飲み方に大きく左右されます。
例えば、アルコールを分解する酵素の活性が低い人は、未分解の物質が腸を刺激しやすいです。 また、冷たいビールやハイボールを短時間で大量に流し込むような飲み方は、腸を急激に冷やします。 そのため腸の動きが乱れ、結果として翌朝の下痢を招く要因となってしまうのです。
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| お酒を飲むと、なぜ下痢が起きるの?メカニズムを解説

アルコールが体内に入ると、胃や小腸、大腸のそれぞれに異なる影響を与えます。
下痢が起きる直接的な原因は、主に「水分の吸収阻害」と「腸の運動の活性化」の2つです。ここでは、私たちの体の中で何が起きているのかを具体的に紐解いていきましょう
| アルコールが腸を刺激し、吸収が乱れる仕組み
通常、私たちが摂取した水分は小腸や大腸で効率よく吸収され、適切な硬さの便が作られます。
しかしアルコールには、腸の粘膜に作用して水分や電解質の吸収を妨げる働きがあります。吸収されなかった水分はそのまま腸内に残り、便の水分量を増やして下痢の状態を作り出すのです。
特にアルコール度数の高いお酒は腸への刺激が強く、この傾向が顕著に現れます。
| 腸の動きが活発になりすぎる「蠕動運動」の亢進
アルコールは自律神経を介して、腸の壁を押し出す動きである「蠕動(ぜんどう)運動」を速めます。
食べ物が腸を通過するスピードが速くなりすぎると、水分を十分に吸収する時間が足りなくなります。 その結果、まだ水っぽい状態のまま便が直腸まで運ばれてしまい、急な便意を催すことになるのです。
「飲んでいる最中にすぐお腹が痛くなる」という方は、この反応が強く出ている可能性があります。
| 冷たいお酒や脂っこいおつまみの影響
お酒と一緒に食べるおつまみの内容も、下痢を悪化させる大きな要因となります。
唐揚げやフライドポテトなどの脂っこい料理は、消化に時間がかかり胃腸に大きな負担をかけます。 さらに冷たい飲み物は腸の血管を収縮させ、消化機能そのものを低下させてしまうのです。
お酒そのものの成分に加え、食事や温度による物理的な刺激が重なることで、下痢はより深刻になります。
| 突然の下痢でも安心。薬を手元に置いておくという選択肢

仕事やプライベートの予定がある日に、急な下痢でトイレにこもりきりになるのは避けたいものです。
「いつ下痢になるかわからない」という不安を抱えたまま過ごすのは、精神的にも大きなストレスとなります。 万が一の事態に備えて、あらかじめ効果的な薬を手元に持っておくと安心です。
| 漢方薬「五苓散(ごれいさん)」による水分の調整
お酒による下痢や二日酔いの対策として、医療現場でもよく処方されるのが漢方薬の「五苓散」です。
五苓散は、体内の水分の巡りを整える「利水(りすい)作用」に優れた漢方薬として知られています。 腸の中に溜まりすぎた余分な水分を排出し、血管内に戻すことで、下痢の症状を改善します。 無理に便を止めるのではなく、水のバランスを整えるアプローチのため、体への負担が少ないのが特徴です。
一方で、症状の出方や体質によって向き不向きがあるため自己判断で常用するより、医師に相談して選ぶのが安心です。
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| オンライン診療で事前に備えるメリット

「病院に行く時間がないけれど、市販薬では不安」という方には、オンライン診療がおすすめです。スマートフォンのビデオ通話を利用して、医師から適切な診断と処方を受けられます。
お酒による下痢の悩みは、対面では少し話しにくいと感じる方も多いですが、自宅からなら安心して話せるのではないでしょうか?頓服としての下痢止め薬の処方も可能なので、お気軽にご相談ください。
処方された薬は郵送で届くので、忙しい仕事の合間に薬局へ行く手間も省け事前の備えが可能です。
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| お酒と上手につきあうための5つの対策
下痢を未然に防ぎながらお酒を楽しむためには、日頃のちょっとした工夫が欠かせません。明日からのパフォーマンスを落とさないために、取り入れやすい5つの対策をご紹介します。
②お酒と水を交互に飲む
③温かいメニューを加える
④おつまみの刺激を減らす
⑤体質からのケア
これらを意識するだけで、翌朝のスッキリ感が大きく変わるはずです。
| 空腹で飲まない
1つ目の対策は、空腹状態で飲み始めないことです。
飲み始める前に、消化のよい軽食を入れておくと負担を減らしやすくなります。
| お酒と水を交互に飲む

2つ目は、お酒と同じ量の「水(和らぎ水)」を交互に飲むことです。
アルコールの濃度を薄め、脱水を防ぐことで腸への刺激を和らげられます。
| 温かいメニューを加える
3つ目は、お腹を冷やさないよう温かいメニューを意識的に一品加えることです。
冷えに弱い方は、冷たいビールやハイボールを続けると症状が出やすいことがあります。
| おつまみの刺激を減らす
4つ目は、刺激の強いおつまみを控え目にすることです。
揚げ物、辛いもの、こってりした料理は胃腸への負担が増えやすく、下痢を悪化させることがあります。
| 体質からのケア

5つ目は、自分の体質に合った薬を活用することです。
例えば前述の五苓散は、お酒を飲む前に服用することで下痢の予防効果が期待できる場合もあります。また、 普段から整腸剤などで腸内環境を整えておくのも有効です。
「下痢をしてから対処する」のではなく事前にケアを取り入れると、お酒を飲むことへの心理的負担も軽減されます。
| こんな下痢は「飲みすぎ」だけでないことも。受診の目安
飲酒後の下痢の多くは一時的ですが、次のような場合は医療機関への相談をおすすめします。
| 早めに受診したい症状
・強い腹痛が続く
・発熱や繰り返す嘔吐がある
・水分がとれず、脱水が心配
アルコールは消化管のさまざまな不調や病気に関わることがあり、症状によっては単なる飲みすぎではない可能性があります。
| まとめ:下痢を防ぐ飲み方と、手元に薬がある安心感を
お酒による下痢は、アルコールが腸の吸収を妨ぎ、動きを早めてしまうことで起こる反応です。
体質や飲み方の工夫で軽減できる部分は多いですが、完全に防ぐことは難しい場合もあります。大切なのは、原因を理解して適切な対策を行い、万が一の不調に備えておくことです。
医療用漢方薬などをあらかじめ手元に用意しておけば、「明日が心配」という不安から解放されます。
オンライン診療を活用すれば、忙しい日々の中でもスムーズに自分に合った薬を準備することが可能です。快適な生活と仕事のパフォーマンスを守るために、今から「お腹の備え」を始めてみてはいかがでしょうか。
参考文献
・厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールの消化器への影響」
・公益社団法人 日本薬学会「漢方薬の役割と特徴」
・独立行政法人 国立病院機構「飲酒と胃腸疾患について」



