二日酔いに漢方がいいってホント?飲み方や市販薬との違いも解説
ホーム > ブログ

日本赤十字社医療センター、虎の門病院で産婦人科医として臨床経験を積む。「忙しく頑張っている人がもっと気楽に相談できる場所を作りたい」との想いを胸に、2024年11月、オンライン診療専門のシンクヘルスクリニックを開院。
内科、皮膚科、医療用漢方、婦人科など、受診者の悩みに幅広く対応。心のケアも大切に、一人ひとりが安心して自分の体と向き合えるようサポートしている。
目次
1 あなたはどのタイプ?二日酔いの症状分類チェック
2 辛い症状に漢方という選択肢!二日酔いにいい漢方薬とは
2.1 二日酔いには「五苓散」
2.2 お酒を飲む前・飲んだ後の飲み方のコツ
2.3 吐き止め薬などで対処する場合も
3 二日酔いで乱れた体調を漢方が整える
3.1 しじみ汁やウコンは二日酔いに効果的?
3.2 市販の漢方と病院で処方される漢方の違い
3.3 オンライン診療ならスキマ時間の受診で処方が可能
4 まとめ
お酒の席を楽しんだ次の日は、
頭がズキズキ
胃がムカムカ
顔がパンパン
など、辛い二日酔いの症状で仕事や予定に影響がでていませんか?
さらに、薬に頼るほどではないと我慢してしまう方も多いですよね。
「二日酔いに悩まされずお酒を楽しみたい!」そんな時は、漢方という選択肢があります。
二日酔いにぴったりの漢方をご紹介し、症状に対してどのようにアプローチをするのかを解説します。
さらに、市販の漢方と病院処方の漢方の違いから、スキマ時間に受診できるオンライン診療の活用法までお伝えするので、ぜひご覧ください。
| あなたはどのタイプ?二日酔いの症状分類チェック
早速、あなたが普段悩まされている二日酔いのタイプを症状別にチェックしてみましょう。
二日酔いタイプ セルフ診断
結果
吐き気型: | 0% |
むくみ型: | 0% |
頭痛型: | 0% |
いかがでしたか?自分の二日酔いタイプを知っていると、その後の対策も最適なものを選びやすくなるので、ぜひ覚えておいてください。
| 辛い症状に漢方という選択肢!二日酔いにいい漢方薬とは
二日酔いのタイプはおもに吐き気型、むくみ型、頭痛型とありますが、どの症状にも共通した漢方薬がよいとされています。
| 二日酔いには「五苓散」
二日酔いの症状に幅広く使われる代表的な漢方薬が「五苓散」です。
なぜなら、漢方医学において二日酔いの諸症状の要因は「水」の滞りとされており、五苓散がその問題点にアプローチするからです。
「水」に加えて「気」と「血」は生命活動を維持するための要素であり、私たちの体を構成している重要なものになります。
漢方では、二日酔いの吐き気、むくみ、頭痛は体の中の水分、「水」の巡りが滞ってしまうことで起こると考えられています。これを「水毒(すいどく)」とも呼びます。
五苓散は、この滞った水の巡りを整えることで、二日酔いの不快な症状を和らげる効果が期待できます。
| お酒を飲む前・飲んだ後の飲み方のコツ
お酒を飲むたびに二日酔いに悩む方は、お酒を飲む前から五苓散を予防的に飲むとよいでしょう。
また、すでに二日酔いの症状がでている場合は、すぐに服用し症状が緩和するのを待ちます。
効果をしっかり発揮させるために、なるべく食前や食間(食事と食事の間)のタイミングに、水やぬるま湯とともに飲むのがおすすめです。
| 吐き止め薬などで対処する場合も
五苓散を飲んでも吐き気が落ち着かない時は、吐き止め薬で対処する場合もあります。
二日酔いの吐き気に作用する吐き止め薬には、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩ジプロフィリン配合錠やメトクロプラミドがあり、市販でも手に入ります。
しかし、どれを使えばよいかわからない、医師に相談してから処方を受けたいという方もいらっしゃるでしょう。そのような時は、スマホやパソコンから受診可能なオンライン診療を検討してみてはいかがでしょうか。
忙しい時でもスキマ時間で受診できるので、飲み会の度に二日酔いに悩まされるから事前に手元に薬を用意したいという方にもおすすめです。(※)
※事前に処方を受ける場合は自費負担となります。
当院では、曜日によっては夜間診療も行っています。日中は病院に行く暇がないという方も、一度ご相談してみてはいかがでしょうか。
| 二日酔いで乱れた体調を漢方が整える
じつは、二日酔いを起こす原因物質はまだはっきりとは解明されていません。そのため、特効薬はなく、現状は二日酔いで起こる症状を緩和する対処法がとられているのです。
先ほども触れた通り、五苓散のような漢方は体の「水」の巡りが滞ってしまった際に効果を発揮します。
さらに、漢方は一般的な薬と比べて作用が緩やかなので、市販薬は作用が強くて怖いと感じている方も抵抗感なく飲めるでしょう。
関連記事
西洋薬と漢方薬の違いとは?それぞれの向いている病気や選び方について解説
| しじみ汁やウコンは二日酔いに効果的?
「二日酔いの朝にはしじみ汁が効く」「飲む前にウコンドリンクがいい」など、巷では漢方以外に食べ物で二日酔いの改善が期待できるといった情報を目にします。
たしかに、しじみのオルニチンやウコンのクルクミンは二日酔いの症状によいという報告もあるようですが、その作用には個人差があり、医学的には効果がはっきり証明されているわけではありません。
お酒で起きた不調なら食べ物で解決できると考える気持ちもわかりますが、改善がみられないと感じた場合は、医学の力に頼ってみるのも選択肢の一つですよ。
| 市販の漢方と病院で処方される漢方の違い
五苓散は市販でも病院の処方でも手に入ります。そのメリット・デメリットをまとめました。
メリット | デメリット | |
市販 | 欲しい時にすぐ手に入る | 「満量処方」とかかれたもの以外は医療用成分が処方のものより少なく、同じ効果が得られるか不明 |
病院処方 | 自分に合った種類・量の漢方薬を処方してもらえる | 処方を受けるためには受診が必要 |
市販はすぐ手に入りやすい一方で、店頭に並ぶ漢方薬には限りがあり、しかも満量処方以外は医療用成分が病院処方より少ない可能性もあります。
その点、病院処方は自分に合った漢方を医師が選び、適切な量の処方を受けられる安心感があります。受診の必要がある点を除けば、辛い症状を早く緩和するには病院処方の漢方がよいといえますね。
関連記事
漢方で体質改善!気血水の乱れにより起こる症状と体質に適した医療用漢方薬を解説
| オンライン診療ならスキマ時間の受診で漢方処方が可能
病院処方の漢方が欲しくても受診する時間がない方は、スマホやパソコンでスキマ時間に受診可能なオンライン診療という選択肢もあります。さらに、お薬はご自宅へ配送、もしくは処方箋を最寄りの薬局へ送り受け取れます。
※当院のお薬の受け取り方法について詳しくはこちら
その時の都合によって薬の受け取り方が選べるのも、オンライン診療の魅力です。
仕事や家事が忙しく、受診のためにまとまった時間がとれない方は、一度試してみてはいかがでしょうか。
| まとめ
二日酔いは、漢方医学において「水」の巡りが滞っているためと考えられています。
五苓散という漢方は、水の巡りをよくして頭痛や吐き気、むくみといった辛い二日酔いの症状の緩和に役立ちます。
「昨日は楽しかったけど、朝からずっとしんどい…」そんなとき、前もって五苓散を飲んでおくと、翌日のつらさを和らげられることもあります。スッキリした気分で仕事や家事に取り組めるとしたら、少し気持ちが楽になりますよね。
五苓散は市販でも手に入りますが、病院で処方する医療用漢方なら、あなたの症状や体質について医師に相談しながら処方を受けられる安心感があります。
忙しくてなかなか病院にいけない方も、スマホやパソコンからスキマ時間に受診可能なオンライン診療で、一度相談してみてはいかがでしょうか。
参考文献
厚生労働省 健康づくりサポートネット(アルコールの吸収と分解)
厚生労働省 健康づくりサポートネット(二日酔いのメカニズム)
独立行政法人労働者健康安全機構 茨城産業保健総合支援センター 漢方医から職場への処方箋(2)
ツムラ五苓散エキス顆粒(医療用)