ビタミンCは肌にどんな効果があるのか~美容液やサプリについても〜
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産婦人科専門医・がん治療認定医。日本赤十字社医療センター、虎の門病院で産婦人科医として臨床経験を積む。「忙しい女性がもっと気楽に相談できる場所を作りたい」との想いを胸に、2024年11月、オンライン診療専門のシンクヘルスクリニックを開院。
婦人科(生理痛・更年期)、皮膚科、医療用漢方など、女性ならではの悩みに幅広く対応。心のケアも大切に、一人ひとりが安心して自分の体と向き合えるようサポートしている。
目次
1 ビタミンCの肌への効果を解説
1.1 メラニンの生成を抑えて美白に
1.2 弾力のある美肌
1.3 ニキビに効果のある可能性も
2 ビタミンCが不足するとどうなるの?
2.1 大量摂取はどうか
3 飲む場合と塗る場合の違い
3.1 化粧品や美容液は効果がないの?
4 処方薬とサプリどちらがよいのか
4.1 市販薬でも効果はあるの?
4.2 美容皮膚科はオンラインでも受診できる
5 まとめ
美白や美肌によい栄養素といえば「ビタミンC」を思い浮かべる方が、多いのではないでしょうか?
とくに日焼けした後は、ビタミンCをたっぷり摂った方がいい、という話はよく聞きます。
ところがなぜビタミンCが肌にいいといわれるのか、実は知らない方も多いかもしれません。
そこで今回は、ビタミンCの肌に対する効果について解説いたします。ぜひ最後までご覧ください。
ビタミンCは、
・美白
・美肌
・ニキビ
などに効果が期待できます。
それでは、詳しくみていきましょう。
ビタミンCはメラニンの生成を抑える働きをもつため、美白の効果があるといわれています。
メラニンは、太陽の光に含まれる紫外線のダメージから肌を守る色素です。太陽の光に当たって赤く日焼けした肌は、次第に褐色になります。というのも、色素細胞が新しくメラニンをつくるからです。そして色素細胞はさらにメラニンをつくり、紫外線から肌を守ろうとします。つまりメラニンが生成されると、肌はだんだん褐色になっていくのです。
そこでメラニンの生成を抑えるビタミンCの働きで肌が褐色になるのを防ぐと、美白につながるといえます。
また、メラニンはしみやそばかすの原因でもあります。つまり、ビタミンCの効果でしみやそばかすを防ぐ可能性があるといえるでしょう。
ビタミンCにはコラーゲンの生成を促進する働きがあるため、弾力のある美肌づくりに役立つといわれます。
そもそもコラーゲンとは肌や血管、軟骨、腱の材料です。そのためビタミンCがコラーゲンの生成を促進すると、肌の弾力が増すのではないかと期待されているのです。
たしかにコラーゲンは表皮の水分量や弾力の増加、目じりの皺容積の減少といった効果が報告されています。しかし効果があるのは高齢者のみで若い方には変化がなかったケースがあるなど、まだ研究段階です。
とはいえビタミンCがコラーゲンの生成を促進し、コラーゲンが肌の材料であることに違いはありません。ビタミンCは、肌にとってよい効果が見込めるでしょう。
ビタミンCには抗酸化作用があり、ニキビやニキビの炎症が治まった後の赤みが軽減したという報告があります。
ただしまだ研究段階であるため、ビタミンCがニキビの赤みに効果があるかどうかは結論がでていません。
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ニキビ改善に効果的な漢方は?処方される薬の特徴を解説
長い間ビタミンCが不足した状態が続くと、壊血病を引き起こします。壊血病になると疲労感・倦怠感・歯茎からの出血、貧血などの症状が出ます。
壊血病は過去の病気だと思われがちですが、現代では極端な偏食や摂食障害によりごくまれに壊血病がみられることがあるのです。ビタミンCは新鮮な果物や野菜に多く含まれるので、意識して食べるとビタミンC不足が防げるでしょう。
食べ物から摂ったビタミンCは、大量に摂取しても問題ないです。
というのもビタミンCは水溶性ビタミンといって、大量に摂っても尿として排出される栄養成分だからです。
ただし薬やサプリなどからビタミンCを大量に摂ると、吐き気・下痢・腹痛などが起こる可能性があります。参考までに、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準2020年版」によると、食事以外からのビタミンC摂取は1日1000mg未満が推奨されています。
薬やサプリなどでビタミンCを摂るときは、摂取量に注意しましょう。
ビタミンCを飲む場合と塗る場合の違いは、体の内側からケアするか、皮膚に直接届けるかという点です。
なおビタミンCは飲んでも塗っても肌に届き、メラニンの生成を抑制します。
ビタミンCの配合された化粧品や美容液には、効果があると考えられます。
というのもビタミンCを塗ることで、
・紫外線による細胞障害
・メラニン色素の生成
を抑制する働きがあるからです。
とくに、紫外線を浴びる前に塗るとより効果的という報告(※)があります。毎朝ビタミンC入りの化粧品や美容液を使用すると、肌によい効果が得られるでしょう。
(※)日本ビタミン学会 ビタミン 95巻12号512-515 2021. 4.健康や美容のマストアイテム ―ビタミン C―
処方薬とサプリはそれぞれメリット・デメリットがあるため、どちらがよいとは言い切れません。メリット・デメリットを下の表にまとめましたので、選ぶ際のご参考になさってください。
メリット | デメリット | |
処方薬 | ・専門知識をもった医師が個人に合わせて処方するため効果が期待できる | ・美容皮膚科を受診する必要がある
・自由診療なので価格は高め |
サプリ | ・自分で選ぶため効果は人それぞれ | ・ドラッグストアやネット通販などで手軽に購入できる
・処方薬と比べて安価な場合が多い |
なお一般的に美容皮膚科で処方されるビタミンC配合薬は、シナール配合錠です。シナール配合錠とサプリはどちらもビタミンCが含まれますが、市販のサプリにはパントテン酸カルシウムが含まれていない場合が多いです。
パントテン酸カルシウムは、ビタミンCの吸収を促す働きがあります。そのため、シナール配合錠は効率よくビタミンCの効果を得られるのです。
市販のシナールでも、効果は得られるでしょう。
しかし処方薬であるシナール配合錠と比べて、市販のシナールはパントテン酸カルシウムの配合量が少ない可能性があります。
そのため処方薬と比べると、市販薬は期待しているほどの効果が得られないかもしれません。よりビタミンCの効果を得たい場合は、美容皮膚科でシナール配合錠を処方してもらう方がよいと考えられます。
いくら美容皮膚科を受診したいと考えていても、
・近くに信頼できる美容皮膚科がない
・忙しくて診療時間内に通院できない
といった場合もあるでしょう。
そんなときは、オンライン受診できる美容皮膚科を探すという方法があります。
当院には、初診から完全オンラインで受診可能な美容皮膚科があります。専門知識をもった医師があなたの肌悩みについて相談に乗りますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
ビタミンCは、美白・美肌といった健康な肌づくりを助ける効果が期待できます。
そしてビタミンCの配合された美容液やサプリを使用すると、健康な肌づくりにつながると考えられます。ただし美容皮膚科などの処方薬は、美容液・サプリ・市販薬と比べてより効率的にビタミンCの効果を得られるでしょう。
当院の美容皮膚科では、医師があなたの悩みに合わせた処方を行います。完全オンラインで忙しい方や遠方の方でも受診しやすいので、ぜひお気軽にご相談ください。
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参考文献
J-STAGE 4.健康や美容のマストアイテム ―ビタミン C― 皮膚でのビタミンCの働き コラーゲンペプチドの効果のメカニズム
厚生労働省eJIM ビタミンC
日本皮膚科学会 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023
添付文書 シナール配合錠
環境省 紫外線
厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020年版