女性の頻尿・尿もれはなぜ起こる?|原因からセルフケア・受診の目安まで解説
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日本赤十字社医療センター、虎の門病院で産婦人科医として臨床経験を積む。「忙しい女性がもっと気楽に相談できる場所を作りたい」との想いを胸に、2024年11月、オンライン診療専門のシンクヘルスクリニックを開院。
婦人科(生理痛・更年期)、皮膚科、医療用漢方など、女性ならではの悩みに幅広く対応。心のケアも大切に、一人ひとりが安心して自分の体と向き合えるようサポートしている。
目次
1 なぜ更年期は「頻尿」や「尿漏れ」が起こりやすいの?
1.1 女性ホルモン(エストロゲン)の減少
1.2 加齢や出産による骨盤底筋のゆるみ
1.3 自律神経の乱れやストレス
2 もしかして過活動膀胱?セルフチェックしてみましょう
3 頻尿・尿漏れのタイプを知っておこう
4 自宅でできる対策・予防法
4.1 骨盤底筋トレーニング(いわゆる“腟トレ”)
4.2 カフェイン・アルコールを控える
4.3 冷え対策をする
5 治療が必要なケースとオンラインでできること
5.1 過活動膀胱の治療
5.2 オンライン診療での相談の流れ(当院の場合)
6 まとめ
「最近、トイレが近くなった」「くしゃみで少し漏れてしまう」
そんな変化に戸惑っていませんか?
更年期になると、女性ホルモンの減少により、膀胱や尿道の働きに変化が起こります。
この時期に起こりやすい頻尿・尿漏れ・尿意切迫は、「歳のせい」ではなく、治療で改善できる可能性があります。
この記事では、更年期にみられる排尿トラブルの原因と、自宅でできるケア、オンライン診療で受けられる治療法について解説します。
| なぜ更年期は「頻尿」や「尿漏れ」が起こりやすいの?
更年期世代の女性の約2人に1人が「尿漏れ」や「頻尿」などの排尿トラブルを経験しているといわれています。
日本排尿機能学会の報告では、40歳以上の女性の約40〜50%が尿漏れを自覚しており、頻尿を感じる方も30〜40%にのぼります。
また、過活動膀胱の有病率は40代で約9%、50代で約13%、60代で約17%と、年齢とともに増加することが示されています。
過活動膀胱とは、膀胱が自分の意思とは関係なく収縮してしまうことで、急な尿意や頻尿が起こる病気です。
尿がまだ十分にたまっていないのに「今すぐ行きたい」と感じたり、間に合わず漏れてしまうこともあります。
では、なぜ更年期に「頻尿」や「尿漏れ」のトラブルが起こりやすくなるのでしょうか。
| 女性ホルモン(エストロゲン)の減少
エストロゲンが減ると、膀胱や尿道の粘膜が薄くなり、刺激を感じやすくなります。
また、尿道を支える骨盤底筋が弱くなるため、尿漏れが起こりやすくなります。
| 加齢や出産による骨盤底筋のゆるみ
出産や加齢により、尿道や膀胱を支える筋肉が弱くなることで、笑ったり咳をしたときに漏れてしまう腹圧性尿失禁が起こりやすくなります。
| 自律神経の乱れやストレス
更年期にはホットフラッシュや不眠などの自律神経の乱れが起こりやすく、それが膀胱の収縮に影響します。
「急に尿意を感じて我慢できない」という症状は、過活動膀胱のサインかもしれません。
トイレの心配から日常生活に支障が出てしまっている方は、一度医師に相談してみてはいかがでしょうか?
気になる方は、ぜひ当院の診療内容をご覧ください。
| もしかして過活動膀胱?セルフチェックしてみましょう

「トイレが近い」「我慢できない」「夜中に何度も起きる」などの症状がある場合、過活動膀胱の可能性があります。
以下のチェックリストに3項目以上当てはまる場合は、医師への相談をおすすめします。
| チェック項目 | 当てはまる |
|---|---|
| 1日に8回以上トイレに行くことがある | |
| 夜中に2回以上トイレに起きる | |
| トイレに行きたくなると我慢が難しい | |
| トイレまで我慢できず、少し漏れてしまうことがある | |
| 水の音や外出時など、特定の状況で急に尿意を感じる | |
| トイレに行ってもスッキリしない感じがある | |
| 最近、トイレのことを意識する時間が増えた |
結果
| セルフチェック結果 |
|---|
| チェックをすると結果が表示されます。 |
| 頻尿・尿漏れのタイプを知っておこう
頻尿や尿もれは原因によってタイプが分かれます。
| タイプ | 特徴 | 主な原因 |
| 切迫性尿失禁 | 急にトイレに行きたくなる
我慢できず漏れてしまう |
膀胱が勝手に収縮 |
| 腹圧性尿失禁 | くしゃみ・咳・笑いで漏れる | 骨盤底筋のゆるみ |
| 混合性尿失禁 | 両方の特徴がある | 更年期に多いタイプ |
過活動膀胱は切迫性尿失禁にあたりますが、更年期の場合は腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の両方のタイプの特徴をあわせ持っています。
| 自宅でできる対策・予防法

尿トラブルは、生活習慣の見直しやトレーニングなど自宅でもできるセルフケアによって防ぐことができます。
| 骨盤底筋トレーニング(いわゆる“腟トレ”)
巷でもよく聞く「膣トレ」は尿トラブルに悩む方にオススメのセルフケア法です。
やり方をご紹介しましょう。
・10回を1セットとして1日3セットを目安に行う
続けることで、尿漏れの改善につながります。
| カフェイン・アルコールを控える
カフェインやアルコールは膀胱を刺激します。
特に夜は控えることで、夜間頻尿を減らせる場合があります。
| 冷え対策をする
体の冷えは膀胱の働きを過敏にします。
下腹部や足元を温めることで尿意を感じにくくなります。
関連記事
冷えを緩和する漢方薬とは?~原因や温めるとよい部位を紹介~
| 治療が必要なケースとオンラインでできること
セルフケアを行っても改善が見られない場合は、医療機関の受診が必要と考えられます。
| 過活動膀胱の治療
「トイレの回数が多い」「急な尿意を我慢できない」などの症状が続く場合は、過活動膀胱の可能性があります。
オンライン診療では、膀胱の筋肉をリラックスさせ、頻尿や急な尿意を改善するお薬の処方が可能です。急な尿意でお困りの方はお気軽にご相談ください。
※尿の痛み・血尿・発熱などを伴う場合は、感染や結石など別の原因も考えられるため、対面での検査をおすすめします。
| オンライン診療での相談の流れ(当院の場合)
当院のオンライン診療のは、以下のような流れで行います。
2.医師が内容を確認し、診療方針を説明
3.適応があれば薬を処方
4.薬は自宅に配送(最短翌日お届け)、もしくはお近くの薬局で受け取り
通院の負担なく、安心してご相談いただけます。
| まとめ
頻尿や尿漏れは生活に支障が大きいものですが、よく患者さんからは「恥ずかしくて受診しづらい…」という声を伺います。しかし、実際には、半数近くの方が同じ悩みを抱えているのです。
こうした悩みは、オンライン診療による適切な治療によって改善が期待できます。
・骨盤底筋トレーニングや生活習慣の見直しが基本。
・過活動膀胱が疑われる場合は、オンラインで薬での治療が可能です。
オンライン診療ならご自宅から安心して相談できますので、気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
参考文献
日本排尿機能学会(2022)『過活動膀胱診療ガイドライン 第3版』(日本排尿機能学会 編, リッチヒルメディカル, 2022)
日本泌尿器科学会 編『女性下部尿路症状の疫学調査』(日本泌尿器科学会雑誌, 2015; 106(2): 56–63)
厚生労働科学研究費補助金(2018)「女性の尿失禁の有病率と生活の質に関する全国調査」(研究代表者:山本新吾, 福井大学医学部)


