40代・50代女性の「眠れない」は更年期?不眠の原因とオンラインでできる治療法
ホーム > ブログ


日本赤十字社医療センター、虎の門病院で産婦人科医として臨床経験を積む。「忙しい女性がもっと気楽に相談できる場所を作りたい」との想いを胸に、2024年11月、オンライン診療専門のシンクヘルスクリニックを開院。
婦人科(生理痛・更年期)、皮膚科、医療用漢方など、女性ならではの悩みに幅広く対応。心のケアも大切に、一人ひとりが安心して自分の体と向き合えるようサポートしている。
目次
1 更年期になると眠れなくなるのはなぜ?
1.1 ホルモンバランスによる自律神経の乱れ
1.2 心理的ストレスの増加
2 更年期の睡眠トラブルはいつまで続くのか
2.1 加齢による睡眠トラブルとの違い
3 あなたはどのタイプ?睡眠トラブルタイプを紹介
3.1 入眠障害ー寝つけない
3.2 中途覚醒ー夜中に目が覚める
3.3 早期覚醒ー朝早くに目が覚める
3.4 熟眠障害ー寝てもスッキリしない
4 更年期の睡眠トラブルの解決法をご紹介
4.1 ホルモン補充療法(HRT)
4.2 漢方
4.3 睡眠薬
4.4 セルフケア(ストレッチ)
5 “更年期でもグッスリ!”はオンライン診療で叶う
6 まとめ
40代・50代の女性で「眠り」に関するこんなお悩みはありませんか?
✓ベットに入っても寝つきが悪くて眠れない
✓寝汗が気持ち悪くて起きてしまう
✓「寝なくては!」と意識しすぎて余計に眠れない
✓しっかり寝ても疲れが取れない
年齢を重ねると睡眠は浅くなる傾向にありますが、上記のようなお悩みにあてはまる方は更年期が睡眠トラブルの原因かもしれません。
今回は、更年期になると眠れないといった睡眠トラブルがなぜ起こるのか、原因から対策法をご紹介します。
更年期症状も辛いのに、寝れない状況が続いてさらに辛いと感じている方はぜひご覧ください。
| 更年期になると眠れなくなるのはなぜ?
女性は平均で50歳くらいに閉経を迎えるといわれていますが、閉経前の5年間と閉経後の5年間をあわせた10年間を「更年期」と呼びます。
更年期では、ホルモンバランスが乱れることで体にさまざまな変化が生じ、睡眠に関係するものはおもに
・ホルモンバランスにる自律神経の乱れ
・心理的ストレスの増加
以上の2つがあげられます。それぞれについて、簡単に解説します。
|ホルモンバランスによる自律神経の乱れ
自律神経は私たちの意志とは関係なく、体温や血圧など生きていくうえで欠かせない機能を調節する神経のことをさします。
更年期では女性ホルモンの減少によりホルモンバランスが乱れるため、自律神経に影響を与え、体温や汗の調整機能が正常に働かず、のぼせやホットフラッシュといった症状があらわれます。
そのため、「熱くて寝苦しい」「寝汗がひどくて途中で起きる」といった睡眠トラブルにつながるのです。
関連記事
更年期のホットフラッシュ(のぼせ・発汗)とは?原因と治療法を医師が解説
| 心理的ストレスの増加
40~50代は、体とともにライフステージの変化がある方も多いでしょう。
思春期の子供との関わり方や親の介護、さらに仕事のキャリアについてなど、更年期はさまざまな悩みがストレスとなって重なる時期でもあります。
そのため、就寝時にあれこれ考えて眠れなくなってしまいます。
さらに、眠れないために「寝よう!」と強く意識しすぎて、かえって眠れないといった状況が生まれるのです。
関連記事
寝つきが悪いのはなぜ?~対処法と寝つけないときの過ごし方まで~
| 更年期の睡眠トラブルはいつまで続くのか

更年期の原因であるホルモンバランスの乱れが落ち着けば、更年期による睡眠トラブルは終わりを迎えます。
したがって、個人差はありますが50代後半までが一つの目安といえるでしょう。
ただし、睡眠トラブルの原因は更年期だけではなく年齢によるものもあります。
| 加齢による睡眠トラブルとの違い
年齢を重ねて眠りが浅くなったという方もいらっしゃいますが、そもそも加齢と更年期では睡眠トラブルの原因や症状が異なります。
加齢の場合は、老化による脳の変化で目が覚めやすかったりや体内時計が早まったりすることが原因としてあげられます。
そのため、症状も「眠りが浅い」「朝早く目が覚める」など、特徴がやや異なるのです。
自分の睡眠トラブルが更年期か加齢、どちらが原因なのか判断が難しい場合は医師に相談するという選択肢もあります。
当院では、睡眠トラブルに関するお悩みをオンライン診察にてご相談いただけます。病院に行きたくても時間が取れない方は、一度相談してみてはいかがでしょうか。
| あなたはどのタイプ?睡眠トラブルタイプを紹介
睡眠に関するトラブルは、睡眠のどの部分に問題を抱えているかで4つのタイプに分けられます。
| 入眠障害ー寝つけない
ベットに入ってもなかなか眠れない場合は入眠障害といいます。
✓体が熱っぽく、落ち着かない
✓布団に入っても頭が冴えてなかなか眠れない
✓考え事が止まらず、眠気がこない
更年期による睡眠トラブルによくあるタイプです。
いつもより眠りにつくまで時間がかかっていると感じ始めたら、入眠障害になっているかもしれません。
不安や心配なことが多く、自分では整理しきれないと感じているときは、当院の心理士に相談してみてはいかがでしょうか(自由診療)。周囲に相談しづらい場合は、お気軽にご相談ください。
| 中途覚醒ー夜中に目が覚める
夜中に何度も目が覚めて、しかもそのあと寝つけない場合は中途覚醒といいます。
✓夜中に何度もトイレに起きる
✓寝汗がひどくて目が覚める
✓ちょっとした物音で目が覚めて寝つけない
こちらも、入眠障害同様に更年期による睡眠トラブルでよくあるタイプです。
不安感や更年期症状の不快感が原因としてあげられます。
関連記事
女性の頻尿・尿もれはなぜ起こる?|原因からセルフケア・受診の目安まで解説
| 早期覚醒ー朝早くに目が覚める
✓5時ごろに目が覚めて、そのまま眠れない
✓朝早く目が覚めてしまい、寝足りないのに起きてしまう
もう少し寝ていたいのに目が覚めてしまう場合は、早期覚醒といいます。
こちらは更年期よりも加齢による睡眠トラブルに多いタイプです。
| 熟眠障害ー寝てもスッキリしない

十分な時間寝ているのに疲れが取れない場合は、熟眠障害といいます。
✓8時間寝たのに、朝スッキリしない
✓眠った気がしない
✓朝から体が重く、日中ずっとだるい
熟眠障害の症状はよくあることと軽く思われがちですが、仕事のパフォーマンス低下などにも影響を及ぼすため注意が必要です。
| 更年期の睡眠トラブルの解決法をご紹介
更年期の睡眠トラブルに対して、4つの対処法をご紹介します。
| ホルモン補充療法(HRT)
更年期による睡眠トラブルは、更年期症状の緩和によって改善が期待できるとされています。
ホルモン補充療法(以下HRT)は、更年期に減少する女性ホルモンを補充しホルモンバランスの崩れを軽減する治療法で、更年期症状の緩和が期待できます。
なお、当院ではオンライン診療でHRTが可能です。HRTではどのような治療をするのか気になる方は、こちらをご覧ください。
更年期障害の治療とは?~症状からホルモン療法(HRT)について解説~
| 漢方
更年期の症状を体質から緩和してくれるのが漢方です。
更年期の睡眠トラブルに対して処方される漢方は、以下2つがあります。
・加味逍遥散(かみしょうようさん)
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
加味逍遥散は、更年期の精神症状(イライラ・落ち込み)やのぼせといった症状にアプローチする点が特徴です。
桂枝茯苓丸は、のぼせの他に冷えやお腹の張りといった症状の緩和が期待できます。
いずれの漢方も市販で手に入れられますが、当院では症状を丁寧にヒアリングしてあなたに合う漢方を医師がご提案します。
市販薬は本当に効果があるのかな?
飲み方はあっているのかな?
という不安がある方は、体質を改善しながら効果が期待できる漢方について、医師に相談してみてはいかがでしょうか。
関連記事
| 睡眠薬
どうしても眠れない場合は、睡眠薬の処方も可能です。
睡眠薬を飲むのは、あまりよいイメージがない方も多いでしょう。しかし、満足する睡眠が取れないことの方が体には悪影響なのです。
睡眠薬も市販で手に入りますが、どれくらい飲めばいいのかわからないなど、初めて使う場合は不安もありますよね。
当院では、診察時に服薬についても丁寧に説明するため、初めて睡眠薬を使う方でも安心してお使いいただけます。
| セルフケア(ストレッチ)
就寝前などに軽いストレッチを行うと、更年期症状の緩和が期待できるという研究報告があります。また、運動はしばしばホットフラッシュの症状を悪化させるといわれていますが、ストレッチの場合はそのリスクを高めることがなかったと報告されています。(※)
※中年女性の更年期症状および抑うつ症状に対する ストレッチの効果
ストレッチのやり方は立った状態から始め、最後は仰向けになりリラックスした状態で終わる内容を10分間行うといったものです。
一定期間ストレッチを行ったところ、更年期症状に加え睡眠トラブルの中でもとくに入眠障害の緩和がみられたのです。その他肩こりの緩和なども期待できます。
寝る前に簡単にできるため、ぜひ取り入れてみてください。
| “更年期でもグッスリ!”はオンライン診療で叶う
更年期の睡眠トラブルの対処法であるHRT、漢方、睡眠薬の処方は当院のオンライン診療で行うことが可能です。
オンライン診療は、ご自宅などお好きな場所からスマートフォンまたはパソコンで受診するため、通院の時間や手間、コストをカットできます。
また、処方されたお薬はご自宅へお届けできるため、調剤薬局等へ取りに行くこともありません(※)。
※院内処方の場合。院外処方の受け取り方はこちら
更年期症状で受診したことがない方や、市販の漢方で思ったような効果を得られていないと感じる方は、一度当院へご相談してみてはいかがでしょうか?
| まとめ
更年期の眠れない悩みは、誰にでも起こりうるごく自然な変化です。
辛い日が続くと気持ちまで疲れてしまいますが、HRTや漢方、睡眠薬など適切な治療で楽になることも少なくありません。
当院では、オンラインで気軽に相談できる環境をご用意しています。ひとりで抱え込まず、ぜひご相談ください。



