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円形脱毛症でやってはいけないことはなに?~原因や治療法も解説~

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円形脱毛症でやってはいけないことはなに?~原因や治療法も解説~

岩佐美穂

執筆者
シンクヘルスクリニック 院長
産婦人科専門医 岩佐美穂

 

 

目次 
1 円形脱毛症とは
2 やってはいけないこと
 2.1 自己判断での対策
 2.2 シャンプーを避ける
 2.3 生活習慣を乱す
3 円形脱毛症の原因はストレスなのか
 3.1 更年期と関係あるって本当?
 3.2 やった方がいいこと
4 治療法を紹介 
 4.1 ステロイド外用薬
 4.2 ステロイド局所注射
 4.3 局所免疫療法
 4.4 点滴静注ステロイドパルス療法
 4.5 その他
5 円形脱毛症は何科?
 5.1 オンライン診療で受診可能なのか
6 まとめ

 

 

「最近抜け毛が多いな…」
「触るとツルツルして髪の毛のない部分があるような気がする…」
「友達に、10円ハゲができているよ、と言われた」

 

円形脱毛症に気付くきっかけは、人それぞれです。しかし気付いたときのショックはとても大きいものだということは、容易に想像できます。

 

そこで今回は、円形脱毛症に気付いたときにやってはいけないことをお伝えします。原因や治療法についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

 

 
| 円形脱毛症とは

 

円形脱毛症とは、頭や全身の毛が抜けてしまう病気です。症状は頭に1か所円状に出ることもあれば、頭や体の何か所にも出る場合もあります。

 

また毛の抜け方や症状の出る場所によって、

・単発型:頭部に一つだけの円形の脱毛がある
・多発型:何か所も円形に脱毛している
・全頭型:頭全体が脱毛している
・汎発型:全身に脱毛が及ぶ
・蛇行型:頭髪の生え際が帯状に脱毛している

 

と種類分けされています。

 

 

| やってはいけないこと

 

円形脱毛症に気付いたとき、やってはいけないことがあるので紹介いたします。

 

・自己判断での対策
・シャンプーを避ける
・生活習慣を乱す

 

それぞれ詳しくみていきましょう。

 

 

| 自己判断での対策

 

自己判断での対策

 

円形脱毛症に気付いたとき、病院に行くほどではないと判断して自己流の対策をしてみる方もいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、自己流の対策はあくまで対策です。医師による治療と比べて、完治までに時間がかかるだけでなく悪化する場合もあります

 

 

| シャンプーを避ける

 

シャンプーをすることで、髪が抜けてしまうのが怖いと感じる方も多いでしょう。

 

しかし正しいシャンプーは、髪によい頭皮環境を整えることにつながります。自分に合ったシャンプーやコンディショナーを使用し、1日1回を目安に頭皮の乾燥や油っぽさがないような頻度で洗髪するとよいです。

 

 

| 生活習慣を乱す

 

・バランスのとれた適量の食事
・十分な睡眠
・適度な運動

 

といった生活習慣が乱れると、体に負担がかかり脱毛することがあります。

 

そのため、規則正しく健康な生活を送ることが大切なのです。

 

 

| 円形脱毛症の原因はストレスなのか

 

円形脱毛症の原因は明確にはわかっていませんが、自己免疫疾患だと考えられています。

 

自己免疫疾患とは本来細菌やウイルスなどを壊そうとする働きである免疫が、自分の体に働いて機能が損なわれる病気です。円形脱毛症の場合、毛を作っている毛包周囲に炎症が起き、一部のリンパ球が毛包の組織を壊そうとする自己免疫反応の影響で毛が抜けてしまうのです。

 

その他、遺伝やアトピー素因(※)なども円形脱毛症と関連があるのではないかといわれています。

(※)アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息などを自分や家族がもっていること

 

なお精神的ストレスは円形脱毛症の原因というよりも、きっかけの1つになり得るものと考えられています。というのも円形脱毛症になった方の多くは、ストレスとは直接関係なく発症しているからです。

 

円形脱毛症のきっかけとなるものは、

 

・肉体的疲労
・ウイルス感染症
・出産

 

など、精神的ストレス以外にもいろいろと考えられます。

 

 

| 更年期と関係あるって本当?

 

更年期と関係あるって本当?

 

更年期に多いのは女性型脱毛症であり、円形脱毛症とは異なるメカニズムによって生じます。一方で、更年期は円形脱毛症の直接的な原因ではないものの、更年期障害による精神的ストレスが発症のきっかけとなる可能性はあります。

 

なお女性型脱毛症は、女性ホルモンなどの影響で起こると考えられています。症状としては、前髪の少し奥から頭頂部にかけて薄毛となる方が多いです。

 

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| やった方がいいこと

 

円形脱毛症になっていると気付いたら、

 

・病院の受診
・毎日の正しいシャンプー
・生活習慣を整える

 

といったことを試すといいでしょう。

 

 

| 治療法を紹介

 

円形脱毛症の代表的な治療には、

 

・ステロイド外用薬
・ステロイド局所注射
・局所免疫療法
・点滴静注ステロイドパルス療法

 

などがあります。

 

それぞれの治療法について、わかりやすく説明していきます。

 

 

| ステロイド外用薬

 

ステロイド外用薬

 

円形脱毛症は、毛を作る毛包の周りに炎症が起きています。そのため炎症を抑える作用のあるステロイド外用薬が有効なのです。

 

ステロイド外用薬は1日に1~2回脱毛箇所に塗るだけなので、比較的簡単な治療法だといえます。

 

 

| ステロイド局所注射

 

ステロイド局所注射は、脱毛箇所に直接ステロイドの注射を行う治療法です。

 

注射の痛みを抑えるために、麻酔をする場合もあります。

 

ステロイド局所注射は脱毛範囲の広さに伴って注射箇所も増えるため、脱毛範囲が狭い場合に有効です。

 

 

| 局所免疫療法

 

局所免疫療法は、化学物質を脱毛箇所に塗ってわざとかぶれ(アレルギー性接触皮膚炎)を起こす治療法です。

 

くり返しかぶれを起こすことで免疫バランスが変化し、円形脱毛症の改善が期待できます。

 

局所免疫療法は、脱毛範囲が広い場合でも治療ができるというメリットがあります。ただしアレルギー性皮膚炎を合併している場合、皮膚炎が悪化することがあるので注意が必要です。

 

 

| 点滴静注ステロイドパルス療法

 

点滴静注ステロイドパルス療法は、入院して短期間で大量のステロイドを投与する治療法です。

 

急速に、全身など広範囲の脱毛が起こっている場合に行われます。

 

 

| その他

 

その他、円形脱毛症には紫外線療法内服薬などの治療法があります。

 

大切なのは医師に診てもらい、適切な治療を行うことです。円形脱毛症は軽度であれば自然に治ることも、多いです。しかし放置すると、脱毛範囲が広がったり悪化したりする場合もあるので、不安な場合は医療機関の受診を検討するとよいでしょう。

 

 

| 円形脱毛症は何科?

 

円形脱毛症で悩んでいる場合は、皮膚科で診てもらうことができます。

 

皮膚科では、医師が脱毛箇所を確認して治療を行います。

 

関連記事
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| オンライン診療で受診可能なのか

 

オンライン診療で受診可能なのか

 

皮膚科の診療を行っているクリニックであれば、オンラインでも円形脱毛症の診察は可能です。

 

ちなみにオンライン診療の皮膚科がある当院の場合、ビデオ通話で医師が気になる箇所を確認します。また予約する際に、あらかじめ気になる箇所の写真を送ることもできます。

※ただし、診察結果によっては対面医療機関の受診を案内する可能性もあるので、ご了承ください

 

 

 

| まとめ

 

円形脱毛症でやってはいけないことは、

 

・自己判断での対策
・シャンプーを避ける
・生活習慣を乱す

 

といったことです。

 

また円形脱毛症の原因は明確にはわかっていませんが、自己免疫疾患や遺伝、アトピー素因と考えられています。

 

軽度の円形脱毛症であれば、自己流の対策で改善するかもしれません。しかし間違った対策をおこなうことで、症状が悪化する可能性もあります。

 

もし不安に感じるのであれば、皮膚科の受診を検討するとよいでしょう。忙しくて通院する時間がとれない方は、オンライン診療で相談する方法もあります。

 

それでは、当記事が参考となりあなたの不安が少しでも解消されるとうれしいです。

 

 

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参考文献
公益社団法人 日本皮膚科学会 円形脱毛症診療ガイドライン 2024 脱毛症 アトピー性皮膚炎

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