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糖尿病で体重が減るのはなぜ?食べても痩せる理由や対策を医師が解説

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糖尿病だと体重減少が止まらない?|なぜ痩せるのか理由や対策を医師が解説

執筆者:シンクヘルスクリニック院長 岩佐美穂

共同執筆者:日本内科学会総合内科専門医・日本糖尿病学会専門医 櫻木哲詩
 

 

目次
1 「食べてるのに痩せる」と感じたら、まずすべきこと
 1.1 毎日の体重を一定条件で測定・記録する
 1.2 食事・運動・睡眠の詳細ログを残す

2 :糖尿病の初期相談もオンラインで対応可能
 2.1オンライン診療の手軽さと利用方法
 2.2対面との連携も可能
3 糖尿病で体重が減るメカニズムとは?
 3.1インスリン不足によるエネルギー飢餓
 3.2 糖新生とケトン体生成の加速
4 どのくらい減ったら危険?受診の目安
 4.11~2か月で3%の体重減少
 4.2 口渇・多飲・多尿の併発
5 まとめ

 

 

最近、運動やダイエットもしていないのに体重が減ってきて、「放っておいて大丈夫?」と不安に感じていませんか。

 

糖尿病とくに2型糖尿病の場合、初期は無症状のことも多く、体重減少は高血糖が進んだサインとして出ることがあります。なお口渇・多飲・多尿・強い疲労感を伴う場合は、著しい高血糖のサインである可能性があるため注意が必要です。また、糖尿病をそのまま放置すると合併症リスクが高まります。

 

本記事では、まず行うべきセルフチェック方法からオンライン診療の活用法、体重減少のメカニズム、受診の目安までをわかりやすく解説します。ぜひ最後までご覧ください。

 

 

| 「食べてるのに痩せる」と感じたら、まずすべきこと 

 

食事量や生活習慣が変わっていないのに体重だけが減少している場合、身体が何らかの異常を訴えているサインかもしれません。

 

自己判断で放置せず、まずは客観的なデータを集めて現状を把握することが大切です。

 

 

| 毎日の体重を一定条件で測定・記録する 

 

毎日の体重を一定条件で測定・記録する 

 

朝起きてトイレを済ませた直後、食事や運動を行う前など、毎日同じタイミングで体重を測定し、記録アプリやノートに記録します。このように条件をそろえて計測することで、日々の変動が正確に比較できます。

 

短期間では前日の食事や水分摂取量でも変動するため、少なくとも2週間は続けて記録し、週単位での増減を確認しましょう。可能であれば、体組成計を使って体脂肪率や筋肉量もあわせて記録すると、脂肪と筋肉のどちらが減っているのかがわかりやすくなります。

 

記録は手書きでもスマホアプリでも構いませんが、グラフ表示できる形式にしておくと、増減の傾向や急激な変化が一目で把握できます。これらの記録は医師に相談する際の貴重な資料となり、原因特定や治療方針の決定にも役立つのです。

 

 

 

| 食事・運動・睡眠の詳細ログを残す 

 

体重とあわせて以下の項目も記録することがおすすめです。

 

・毎日の食事(時間・内容・量)、間食、飲水量
・運動内容(種類・時間・強度)
・睡眠時間や質(起床・就寝時間、夜間の覚醒回数)
・ストレス状況

 

これらを詳細に記録することで、単なる糖代謝異常以外の要因(過労やストレス、睡眠不足など)が体重減少に関与しているかをを判別しやすくなります。

 

たとえば、「会議が続く繁忙期に体重が急激に減った」など、環境要因と数値が結びつくと、対策の優先順位が明確になります。

 

 

| 糖尿病の初期相談もオンラインで対応可能 

 

働き盛りのビジネスパーソンにとって通院の時間確保は大きな負担ですが、最近ではオンライン診療で糖尿病の初期相談から、フォローアップまで対応可能です。

 

 

| オンライン診療の手軽さと利用方法 

 

まず、クリニックのウェブサイトや診療アプリから予約を行い、指定の日時にスマートフォンやパソコンでビデオ通話に接続します。

 

問診票は、事前にオンラインで入力できることが多いです。体重・血糖値の記録や健康診断結果をデータアップロードするだけで、問診がスムーズに進むでしょう。

 

初回相談では医師が症状や生活習慣、健診結果、既往歴、服薬状況などを確認します。必要に応じて検査や対面診療を案内し、十分な情報が確認できる場合には医師の判断で治療方針の相談や処方を行うことがあります。

 

オンライン診療は移動時間・待ち時間がゼロになるため、仕事の合間や自宅で家事をしながらでも受診可能です。家族の介助が必要な場合や、外出が難しい体調の時にも活用できます。

 

糖尿病外来 オンライン診療

 

 

| 対面診療の医療機関紹介も可能 

 

採血や尿検査、対面での診察が必要と判断される場合には、通いやすい医療機関での検査や対面診療をご案内することがあります。オンライン診療と対面診療を組み合わせることで、無理なく継続的な治療につなげられるのです。

 

これにより初期段階で診断を受けた後も、負担なく治療を継続できます。

 

 

| 糖尿病で体重が減るメカニズムとは? 

 

糖尿病ではインスリンの分泌不足や働きの低下によって、血液中のブドウ糖を細胞内にうまく取り込めなくなることがあります。

 

ブドウ糖は本来、体を動かすための重要なエネルギー源です。しかし血液中にブドウ糖が多く存在していても、細胞に十分取り込めなければ体はエネルギー不足の状態になります。

 

その結果、不足したエネルギーを補うために、体内の脂肪や筋肉が分解され、体重が減少することがあります。 

 

 

| インスリン不足によるエネルギー飢餓 

 

インスリン不足によるエネルギー飢餓

 

インスリンは、食後に上昇した血糖を細胞内へ取り込むために重要なホルモンです。

 

インスリンの分泌量が不足したり、インスリンに対する体の反応が鈍くなったりすると、筋肉や脂肪細胞にブドウ糖が十分に届かなくなります。

 

すると体では、血糖値が高いにもかかわらず、細胞レベルではエネルギーが足りない状態になるのです。ります。この不足分を補うため、体脂肪や筋肉のたんぱく質が分解されます。

 

そのため、糖尿病をもっていると食事をとっていても体脂肪や筋肉量が減り、体重が落ちやすくなるのです。 

 

 

| 糖新生とケトン体生成の加速 

 

エネルギー不足を補うため、主に肝臓では、アミノ酸などを材料にブドウ糖を作る糖新生が活発になります。

 

このとき筋肉由来のアミノ酸も利用されるため、筋肉量の減少につながることがあります。さらに、ブドウ糖を十分に利用できない状態が続くと、体は脂肪を分解してケトン体という代わりのエネルギー源を作り出すのです。 

 

ケトン体はエネルギー源として利用されますが、インスリン不足が強い状態で過剰に増えると、血液が酸性に傾く糖尿病性ケトアシドーシスという危険な状態を引き起こすことがあります。

 

糖尿病性ケトアシドーシスは、特に1型糖尿病で起こりやすいものの、2型糖尿病でも感染症、強いストレス、清涼飲料水の多飲などをきっかけに起こることが考えられます。 

 

 

吐き気・嘔吐、腹痛、強い口の渇き、多尿、深く速い呼吸、意識がぼんやりするなどの症状がある場合は、命に関わることもあるため、すぐに医療機関を受診する必要があります。

 

 

| どのくらい減ったら危険?受診の目安 

 

体重は、食事量や水分量、運動量、便通などによって一時的に変動します。そのため、1日ごとの増減だけで判断するのではなく、数週間から数か月単位での変化を見ることが大切です。

 

ただし、ダイエットや運動量の増加など思い当たる理由がないのに体重が減り続けている場合は、糖尿病を含めた病気が隠れている可能性があります。自己判断で様子を見すぎず、適切なタイミングで医療機関に相談しましょう。 

 

 

| 1~2か月で3%の体重減少 

 

明らかな食事制限や運動量の増加がないにもかかわらず、1〜2か月で体重の3%前後、またはそれ以上減少している場合は、早めに医療機関へ相談する目安になります。 

 

たとえば70kgの方であれば、3%は約2kgです。短期間で2kg前後の減少があり、さらに減少傾向が続く場合は、糖尿病だけでなく、甲状腺の病気、消化器疾患、悪性腫瘍、慢性感染症、ストレスや薬剤の影響なども含めて確認が必要です。

 

特に食事量は変わっていない、あるいは食べているのに体重が減っている場合は、早めの受診をおすすめします。 

 

 

| 口渇・多飲・多尿の併発 

 

1~2か月で3%の体重減少 

 

糖尿病では、高血糖が続くことで「口が渇く」「水をたくさん飲む」「尿の回数や量が増える」といった症状が現れることがあります。

 

血糖値が高くなると、体は余分な糖を尿と一緒に排出しようとします。その際に水分も一緒に失われるため、尿量が増え、脱水傾向になるのです。その結果、強い口の渇きや多飲につながります。 

 

この状態が続くと、脱水や倦怠感が強まり、体重減少がさらに目立つことがあります。体重減少に加えて、口渇・多飲・多尿、強い疲労感がある場合は、できるだけ早めに医療機関を受診しましょう。

 

また、吐き気・嘔吐、腹痛、深く速い呼吸、意識がぼんやりするなどの症状を伴う場合は、糖尿病性ケトアシドーシスなど緊急性の高い状態の可能性があります。その場合は、通常の外来予約を待たず、救急受診を検討してください。

 
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| まとめ 

 

「食べているのに痩せる」「特に生活を変えていないのに体重が減る」といった変化は、糖尿病をはじめとする病気のサインである可能性があります。

 

糖尿病では、高血糖が続くことで体がブドウ糖をうまく利用できず、脂肪や筋肉が分解されて体重が減ることがあります。特に、口の渇き、水をたくさん飲む、尿の回数や量が増える、強い疲労感を伴う場合は注意が必要です。

 

一方で、体重減少の原因は糖尿病だけではありません。甲状腺の病気、消化器疾患、悪性腫瘍、慢性感染症、ストレス、薬剤の影響などが関係していることもあります。

 

まずは、毎日の体重や食事内容、運動量、睡眠、体調の変化を記録し、体重がどのくらいの期間でどれほど減っているのかを把握しましょう。

 

受診すべきか迷う場合もオンライン診療を活用すれば、通院の負担なく早期に相談が可能です。一人で悩まず、どうぞお気軽にご相談くださいね。

 

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参考文献

厚生労働省「糖尿病の現状と対策」
公益社団法人 日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイドライン 2023」
国立健康・栄養研究所「糖質の代謝と健康」

 

岩佐美穂

執筆者
シンクヘルスクリニック 院長
岩佐美穂
資格(産婦人科専門医、がん治療認定医)
所属学会(抗加齢学会会員)

日本赤十字社医療センター、虎の門病院で産婦人科医として臨床経験を積む。「忙しく頑張っている人がもっと気楽に相談できる場所を作りたい」との想いを胸に、2024年11月、オンライン診療専門のシンクヘルスクリニックを開院。
内科、皮膚科、医療用漢方、婦人科など、受診者の悩みに幅広く対応。心のケアも大切に、一人ひとりが安心して自分の体と向き合えるようサポートしている。

 

櫻木哲詩
共同執筆者
シンクヘルスクリニック 非常勤医師
櫻木哲詩
資格(日本内科学会認定内科医、日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会専門医、日本フットケア・足病医学会 弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター)
所属学会(日本内科学会、日本糖尿病学会、日本褥瘡学会 在宅ケア推進協会、日本形成外科学会)

鳥取大学医学部にて地域枠一期生として卒業。鳥取県内でも有数の総合病院である山陰労災病院にて、糖尿病内科医として様々な症例を経験し副部長に就任。生まれ育った地域の方々への思いから、より深く地域医療に貢献するべくサクラギクリニックを開院。
専門医としての立場から医学的に最適な治療を考え、患者の生活や家族背景などを踏まえた総合的な判断で治療することを心がけている。