禁煙で一番辛いのは何日目?〜離脱症状への対策と成功のコツやオンライン禁煙プログラムも解説〜
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日本赤十字社医療センター、虎の門病院で産婦人科医として臨床経験を積む。「忙しく頑張っている人がもっと気楽に相談できる場所を作りたい」との想いを胸に、2024年11月、オンライン診療専門のシンクヘルスクリニックを開院。
内科、皮膚科、医療用漢方、婦人科など、受診者の悩みに幅広く対応。心のケアも大切に、一人ひとりが安心して自分の体と向き合えるようサポートしている。
目次
1 禁煙で一番辛いのは最初の2~3日目
2 禁煙後に起こる離脱症状はどう変化する?
2.1 禁煙1日目の症状
2.2 禁煙2日目の症状
2.3 禁煙3日目の症状
2.4 禁煙4~7日目の症状
2.5 禁煙8日目以降の症状
2.6 心理的依存は長期にわたり続く
3 禁煙成功のためにー3つのポイントー
3.1 事前の準備をしっかり行う
3.2 タバコを吸いたくなったら
3.3 禁煙補助薬と禁煙外来を利用する
4 まとめ
タバコが健康に悪いことはわかっていても、「やめたいのにやめられない」と悩む方は多いものです。
禁煙は多くの喫煙者にとって“辛い挑戦”ですが、その辛さには理由があり、乗り越えることが可能です。
この記事では、禁煙中に訪れる「辛い時期」がいつなのか、そしてその時期をどう乗り越えればよいのかをわかりやすく解説します。
さらに、禁煙を成功へと導くサポートの一つとして、当院で行っているオンライン禁煙プログラムについてもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
「禁煙したいけれど不安がある」「過去に挫折してしまった」という方も、きっと自分に合った方法が見つかるはずです。
| 禁煙で一番辛いのは最初の2~3日目
感じ方に個人差はありますが、禁煙を始めて一番辛いのは2~3日目と答える方が多いです。
そして、その後少なくとも数か月間は辛い時期が続くといわれています。
では、なぜ禁煙は辛いと感じるのでしょうか。大きな理由は以下の2つが挙げられます。
・離脱症状
・心理的依存
離脱症状はタバコに含まれる成分であるニコチンが体から抜けるときに感じる症状のことです。
個人差はあるものの、以下のような症状がみられます。
・イライラ
・タバコが吸いたいという欲求
・頭痛
・落ち着かなさ
・倦怠感
一方、心理的依存はこれまでに定着したタバコへの良いイメージや、タバコが習慣化していることにより、日常生活のいろいろな場面で「タバコがほしい」と感じることを指します。
禁煙に失敗してしまったという方は、離脱症状や心理的依存の影響が原因であることがほとんどでしょう。
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| 禁煙後に起こる離脱症状はどう変化する?
ここでは、禁煙して短期間のうちに生じる離脱症状と、その症状が日ごとにどう変化していくか紹介します。
ただし、離脱症状の現れ方はタバコへの依存度や個人によって差があるものです。あくまで一例として参考にしてみてください。
| 禁煙1日目の症状

体内のニコチン濃度が下がり始めます。数時間も経たないうちに、タバコを吸いたい衝動が強くなる方もいます。
一方で、まだ体の変化は大きくなく、「少し落ち着かない」「口が寂しい」程度に感じる人も多い段階です。
水分をしっかり取り、深呼吸や軽いストレッチなどで気分転換をするのがおすすめです。
| 禁煙2日目の症状
血中のニコチンがほぼ抜ける頃で、離脱症状が本格化します。
イライラや集中力の低下、眠気、頭痛などが出やすく、「吸いたい」気持ちが一気に高まります。
この時期をどう乗り越えるかが大きなポイントです。
ガムや飴で口寂しさを紛らわせたり、深呼吸やウォーキングで気分を切り替えましょう。
| 禁煙3日目の症状
離脱症状のピークを迎える頃です。
眠気や倦怠感、落ち着かなさが強く出て、「もう吸ってしまおうか」と気持ちが揺らぎやすいタイミングです。
ここを乗り越えると、徐々に体のニコチンへの依存が弱まり、少しずつ楽になっていきます。
自分の意思だけでは辛いと感じることも多いため、周囲のサポートがあると乗り切りやすい時期でもあります。
| 禁煙4~7日目の症状
体内からニコチンが抜けきり、少しずつ身体の調子が整い始めます。
「頭がすっきりする」「食事が美味しく感じる」といった変化を実感する方も多く、回復のサインが出始める頃です。
ただし、まだまだタバコを吸いたい気持ちは強い時期です。自分なりのリラックス方法を見つけておくのがよいでしょう。
| 禁煙8日目以降の症状
8日目頃から14日目頃にかけて徐々に体の離脱症状は落ち着いていきます。しかし、心理的な依存が続く人も少なくありません。
ストレスを感じた時やお酒の席など、かつては喫煙していたであろう状況に直面すると、吸いたい気持ちが強く湧き上がるため、注意が必要です。
それでは、この心理的依存はどのくらい続くのでしょうか。
| 心理的依存は長期にわたり続く
タバコは日常生活と密接に結びついた習慣です。
食後、仕事の休憩時、朝起きてすぐ、などこれまで習慣として吸っていた場面でタバコを吸いたくなる気持ちが出てきます。
また、「タバコを吸うと頭がスッキリする」「食後のタバコは美味しい」など、タバコへのよいイメージをもち続けることも心理的依存のひとつであり、禁煙を難しくさせているのです。
心理的依存は、個人差はあるものの数か月から数年程度続くといわれています。
しかしその強さは日ごとに弱くなり、タバコのことを考える瞬間は着実に減っていくものです。この頃には、禁煙継続に対して少しずつ自信が出てくる方もいるでしょう。ただ、「1本くらいなら大丈夫だろう」という考えが生まれやすい時期でもあるため、油断は禁物です。
実は、禁煙に失敗した人の多くが、禁煙から3か月以内に再びタバコを吸ってしまっています(※)。
したがって、少なくとも3か月間は、専門的なサポートを受けながら対策を続けるのがおすすめです。
当院のオンライン禁煙プログラムは、再喫煙のリスクが高い3ヶ月間をしっかりとサポートし、タバコをやめたい方に寄り添います。
| 禁煙成功のためにー3つのポイントー

タバコを吸っていた年数が長ければ長いほど、意志の力だけで禁煙するのは困難になります。
禁煙成功に向けて、3つのポイントをご紹介します。
| 事前の準備をしっかり行う
いつでもタバコが吸える環境の中で禁煙するのは、誰でも難しいものです。まずはタバコそのものや、タバコを吸うのに必要な道具(灰皿、ライターなど)をすべて処分してから禁煙を始めましょう。
また普段自分がタバコを吸いたくなる状況を確認しておくことは心理的依存への対策としても重要です。
たとえば居酒屋や駅前の喫煙所などでタバコを吸うことが多かった方は、可能な限りその場所へは近づかないで済むように、予定の調整や歩くルートを見直しておきましょう。
食後にタバコを吸うのが習慣になっていた方は、食べ終えたらすぐに歯を磨くなど、別の行動をとることをおすすめします。
| タバコを吸いたくなったら
離脱症状を乗り切るための対処法をご紹介します。
・冷たい水を飲む
・刺激の強い飴やガムを口に入れる
・深呼吸する
・歯を磨く
・人と話す
これらの対処法は、禁煙開始前から練習しておき、すぐに使えるようにしておくといいですね。
タバコが吸いたいという欲求が1日中続くことはなく、強い欲求が出てくるのはせいぜい数分程度といわれています。禁煙中に突然タバコが吸いたくなっても、気をそらしたり、別の行動をとることで乗り切ることが大切です。
| 禁煙補助薬と禁煙外来を利用する

離脱症状への対処として、禁煙補助薬を使うという方法もあります。
禁煙補助薬のひとつであるニコチンパッチを使って禁煙した場合、通常と比べて禁煙成功率が1.6倍も上がったという研究があります(※)。
※Hartmann-Boyce J, Chepkin SC, Ye W, et al.(2018). Nicotine replacement therapy versus control for smoking cessation. Cochrane Database Syst Rev 5 : CD000146.
なお、ニコチンパッチは医療機関だけでなく、ドラッグストアでも購入が可能です。しかし、医療機関で実施している禁煙外来を利用すると、禁煙補助薬の処方とあわせて医師のサポートを受けることができます。
自力での禁煙は自信がないけど、なかなか通院する暇がないという方は、オンライン診療を活用するという方法もありますよ。
当院で実施しているオンライン禁煙プログラムは、禁煙補助薬の処方のほか、心理士による支援とアプリを使った継続的なフォローを組み合わせていることが特徴です。
専用アプリを通じて、禁煙を続ける上で役立つコラムやショート動画が定期的に配信されるほか、心理士から励ましのチャットメッセージが届きます。
一人ひとりの状況に合わせたオンライン心理士相談も利用可能なため、孤独になりがちな禁煙中も安心して続けることができます。
お薬だけでなく心理的なサポートを取り入れることで、禁煙の成功率をぐっと高めることができるのです。
| まとめ
以上、禁煙に伴う辛さの正体と、辛さを乗り越え禁煙を成功させるためのポイントについて解説しました。
禁煙で一番辛いのは、離脱症状がピークを迎える2~3日目です。
離脱症状には、
・眠気
・イライラ
・タバコが吸いたいという欲求
・頭痛
・落ち着かなさ
・倦怠感
などがあります。
しかし、離脱症状がおさまったあとも、日常の中でふとタバコが吸いたくなる心理的依存は長期的に続きます。
禁煙成功のためには、
・事前の準備をしっかり行う
・タバコが吸いたくなったときの対処法をあらかじめ練習しておく
・禁煙補助薬や禁煙外来を利用する
ことがポイントです。
禁煙外来を利用することで、離脱症状を緩和してくれる禁煙補助薬が使えたり、医師との面談で禁煙継続をサポートしてもらえます。
当院のオンライン禁煙プログラムでは、心理士による支援とアプリによる継続フォローで、離脱症状の時期も安心して乗り越えられるようサポートしています。
「通院する時間がない」「過去に禁煙で挫折した」という方にもおすすめです。
お薬の処方だけでも可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。
この記事があなたの禁煙成功や健康的な生活への一歩となることを願っています。
参考文献
- 厚生労働省 令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要
- 日本医師会 禁煙は愛 | 禁煙推進Webサイト
- 厚生労働省 喫煙 |生活習慣病などの情報( e-ヘルスネット)(厚生労働省)
- Hartmann-Boyce J, Chepkin SC, Ye W, et al.(2018). Nicotine replacement therapy versus control for smoking cessation. Cochrane Database Syst Rev 5 : CD000146.
- 一般社団法人 日本循環器学会 禁煙ガイドライン


