もう禁煙に失敗したくない!~原因を分析して成功の鍵を見つけよう~
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監修者
執筆者:石倉美希(臨床心理士・公認心理師)
目次
1 禁煙失敗を繰り返してしまう原因
1.1 ニコチンの離脱症状
1.2 ストレス対処がうまくいかない
1.3 身の回りの環境が整っていない
1.4 1人で頑張ろうとしてしまう
2 成功するにはサポートを使おう
2.1 家族や禁煙仲間
2.2 禁煙補助薬
2.3 医師や心理士などの専門家
3 何年経ったら禁煙成功なのか
3.1 最初の山場は2~3日目
3.2 節目の3か月
3.3 1年続くとその後も安心
4 まとめ
「タバコはもうやめよう!」と決意し、禁煙を始めてみたものの、吸いたい気持ちが抑えきれず失敗してしまう方は多いといわれています。
我慢が足りないなどと思われがちですが、実はニコチンとの付き合い方や禁煙する環境への工夫が足りないせいかもしれません。
今度こそ禁煙を成功させたい方は、失敗の原因を分析して活かしていきましょう。
ぜひ最後までお付き合いください。
自力で禁煙を始めた人のうち、禁煙に成功するのは10%に満たないといわれています。つまり10人中9人が禁煙に失敗していると考えられ、けっして珍しいことではないのです。
再喫煙を繰り返してしまうのは、自制心がないからと自分を責めてしまう方もいるかもしれませんが、気持ちの問題だけではありません。ご自身に当てはまるものはないか、ぜひチェックしてみてください。
タバコをやめるのが難しいのは、喫煙を続けると、タバコに含まれるニコチンの依存症となってしまうからです。
タバコを吸うと、ニコチンが中枢神経にある受容体と結合し、心地よさが引き起こされます。時間が経つと、体内のニコチン濃度が低下し、落ち着かなさやイライラなどの離脱症状が現れます。タバコを吸うとこの離脱症状が和らぐため、なかなかタバコが手放せなくなるのです。
離脱症状のコントロールがうまくいかないと、禁煙に失敗してしまう可能性が高いといえます。
タバコを吸う時間だけがリラックスタイムだったという方は、ストレスに対処するための選択肢が少なくなっている可能性があります。疲れたときに体や心を切り替える方法をたくさん持っておくと、自然とタバコの優先度も下がっていくでしょう。
よくタバコは「ストレス解消になる」といわれますが、上記のようなニコチンの離脱症状による落ち着かなさやイライラがストレスとなるため、実はタバコを吸わない方がストレスの原因を減らせるともいわれています。
タバコは普段の行動に密着した習慣となっていることが多く、食後や休憩時などにルーティンとして組み込まれがちです。振り返ってみると、実はそれほど吸いたいと思っていないのにもかかわらず、ルーティンに組み込まれているだけということもあります。
禁煙を始めたいときには、このルーティンごと調整をしないと、つい吸ってしまう可能性が高まります。
いつどんなときに吸いたくなるのか、吸いたい気持ちの強さはどれくらいなのかを把握しておくと、「1本くらいいいかな」という誘惑にも対処しやすくなりますよ。
また、タバコだけでなくライターや灰皿など喫煙グッズを処分し、吸いたい気持ちにスイッチが入らないようにコントロールするのも大切です。
「禁煙に失敗したら恰好悪い」「うまくいかないかもしれない」という気持ちから、禁煙を始めたことをなんとなく周りへ言い出しにくいという方もいることでしょう。
禁煙は精神的な忍耐力ではなく、ニコチンの離脱症状など身体的な面からのアプローチも重要です。
そのため、1人で耐え忍ぶよりも専門家や周りのサポートを活用する方が成功への近道となります。
禁煙をサポートしてくれるのは、身近な人々だけではなく医療の力や専門家のフォローなど、幅広い選択肢があります。今度こそ禁煙を成功させたいという方は、できる限りたくさんのサポートを活用してみましょう。
生活に密着した習慣である喫煙に対して、一緒に頑張ってくれる最も身近な存在は、家族かもしれません。喫煙グッズの処分や吸いたい気持ちのコントロールに協力してもらえるよう、禁煙スタートを宣言するのもよいですね。
また、禁煙へチャレンジする仲間と一緒に始めてみるのも、気持ちの支えになることでしょう。何日続けられているかを報告し合える相手になってくれたり、離脱症状に効果的だった方法を共有できるというメリットがあります。
ニコチンの離脱症状に対しては、禁煙補助薬を使用することで緩和されます。体内のニコチンの濃度をニコチンパッチやニコチンガムで調整することで、離脱症状が穏やかになるのです。
日本循環器学会の禁煙ガイドラインによると、禁煙補助薬を使うことで、自力での禁煙と比較してニコチンガムで1.5倍、ニコチンパッチで1.9倍、成功率が高まるという報告もあります。
薬局で購入できるニコチンパッチやニコチンガムもありますが、禁煙外来にて処方される医療用医薬品のニコチンパッチとは用量が異なります。
禁煙外来で禁煙補助薬の処方を受けるだけでなく、医師や心理士と相談しながら禁煙を進めると、さらに禁煙を楽に進められるでしょう。
離脱症状が辛いときの対処法を相談するだけでなく、禁煙が続けられていることを賞賛してもらうことでモチベーションをキープするのにも役立ちます。
困ったときや挫けそうなときも伴走してくれるサポートがあると安心ですね。
どのくらい経ったら禁煙成功といえるのか、明確な基準はありません。しかし、乗り越えたい時期の目安があります。
禁煙成功の分かれ道は、まず禁煙開始後2~3日目といわれています。これは禁煙開始後、ニコチンの離脱症状のピークが開始後2~3日目となるからです。離脱症状を乗り切る工夫としては
・刺激の強い飴やガムを口に入れる
・深呼吸する
・歯を磨く
・人と話す
などがあります。
禁煙外来や禁煙補助薬の力も借りながら、最初のピークを越えられると禁煙成功に近づきますよ。
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禁煙開始後、再喫煙はほとんどが3か月以内に発生するといわれています。タバコを吸わない習慣が定着するのに、少なくとも3か月程度かかると思っておくとよいでしょう。
とはいえ、3か月間頑張り続けるには、モチベーションを保つ工夫も必要です。
3か月の節目を迎えられたら、ご自身にご褒美をあげてみませんか。
今までかかっていたタバコ代と同額程度のものをご褒美とすると、頑張りが形になって見えるので達成感もさらに感じられることでしょう。
禁煙外来で禁煙に成功した人が、その後どの程度禁煙を継続できたかの調査によると、1年禁煙できた人のほとんどは3年後も禁煙できていたという結果でした。
「1年なんて先が長すぎる…」と思われるのも無理はありません。長く続けるのを意識しすぎると、プレッシャーとなってしまうこともあるでしょう。
まずは「今日1日だけ頑張ってみよう」という気持ちを積み重ねていくと、だんだんと禁煙している自分がいつもの状態になっていきますよ。
禁煙を決意しても、再び喫煙してしまう人は多く、意志の問題だけではなく環境や習慣が大きく関係しています。
禁煙に失敗する主な原因は、
②ストレス対処の不足
③喫煙習慣の見直し不足
④1人で頑張ろうとする
ことです。
禁煙を成功させるためには、家族や仲間のサポートを活用し、禁煙補助薬や専門家の助けを得ましょう。
また、禁煙成功の節目として、
・3か月目(再喫煙しやすい時期)
・1年目(継続できれば成功率が高まる)
を意識し、短期間の目標を積み重ねていくことが大切です。
本記事が、今度こそ禁煙を成功させたい方のお役に立つと幸いです。
参考文献
東山(2020). 日本の喫煙・禁煙成功・失敗率の調査と検討 禁煙科学 14(7). 2-8.
東浦他(2019). 禁煙外来の初期治療成績と長期的な禁煙継続に関する検討 日本プライマリ・ケア連合学会誌 42(4). 198-204.
一般社団法人 日本循環器学会 禁煙ガイドライン(2010年改訂版)
厚生労働省 健康づくりサポートネット
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