下の血圧(拡張期血圧)が高いのはなぜ?100超えで危険?原因と下げるための受診目安
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シンクヘルスクリニック 院長
岩佐美穂
資格(産婦人科専門医、日本抗加齢医学専門医、がん治療認定医)
所属学会(日本産科婦人科学会、日本成人病(生活習慣病)学会、日本抗加齢医学会、日本癌治療学会)
日本赤十字社医療センター、虎の門病院で産婦人科医として臨床経験を積む。「忙しく頑張っている人がもっと気楽に相談できる場所を作りたい」との想いを胸に、2024年11月、オンライン診療専門のシンクヘルスクリニックを開院。
内科、皮膚科、医療用漢方、婦人科など、受診者の悩みに幅広く対応。心のケアも大切に、一人ひとりが安心して自分の体と向き合えるようサポートしている。
目次
1 下の血圧が高いと言われたら?まずは「どういう血圧か」を知りましょう
1.1 下の血圧=心臓が休んでいるときの血圧
1.2 症状がなくても動脈硬化のリスクになる
2 下の血圧は100を超えたら高血圧?診断基準と受診の目安
2.1 高血圧の診断基準(診察室と家庭血圧)
2.2 下が100mmHg前後なら、一度は医師に相談を
3 下の血圧が高くなる主な5つの原因
3.1 ① 肥満(とくに内臓脂肪が多い)
3.2 ② 運動不足
3.3 ③ 塩分・アルコールのとり過ぎ
3.4 ④ 喫煙(たばこ)
3.5 ⑤ 更年期・加齢によるホルモンバランスの変化
4 【原因別】下の血圧を下げるための「最初の一歩」
4.1 自分でできる生活習慣の工夫
4.2 医師に相談して進める治療(高血圧外来・禁煙外来・オンライン診療)
5 まとめ:「下の血圧」は体からの大切なサイン。ひとりで悩まず相談を
「下の血圧が高いと言われた」
「拡張期血圧が100を超えていて不安」
——そんな方は少なくありません。下の血圧が高い状態は、血管にかかる負担が大きくなっているサインです。
ただし原因や受診の目安を知れば、必要以上に怖がらずにできる対策から始めることができます。
この記事では、下の血圧が高くなる主な原因とどのくらいの数値なら病院に相談したほうがよいのか、オンライン診療の活用方法もふくめて解説します。
| 下の血圧が高いと言われたら?まずは「どういう血圧か」を知りましょう
健康診断や自宅の血圧計で「下の血圧が高いですね」と言われると、不安になりますよね。
とくに、もともと上の血圧が高い方は、「さらに悪くなったのでは」と心配されることが多いです。まずは、下の血圧が何を示しているのかを押さえておきましょう。
| 下の血圧=心臓が休んでいるときの血圧

血圧は、上の血圧(収縮期血圧)と下の血圧(拡張期血圧)の2つで表されます。
下の血圧は、心臓がいったん力を抜いて血液をためている「お休みの時間」に、血管にかかっている最低限の圧力です。この数字の高い状態が続くと、本来は負担が少ないはずの時間にも血管にかかる圧力が高めのままになってしまいます。
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| 症状がなくても動脈硬化のリスクになる
下の血圧が高くても、頭痛や動悸などの自覚症状がないことも少なくありません。それでも、長く続けば動脈硬化が進み、脳卒中や心筋梗塞などのリスクを高めます。
とくに比較的若い世代や中年期では、「下だけが高い高血圧」から始まることも多いです。
「まだ若いから大丈夫」
「なんとなく不安だけど、忙しくて受診していない」
という方こそ、早めに現状を確認しておくことが大切なのです。
| 下の血圧は100を超えたら高血圧?診断基準と受診の目安
「下が100を超えたら危険なの?」という質問をよく受けます。
高血圧かどうかは上の血圧と下の血圧の両方を組み合わせて判断しますが、下の血圧だけが高いタイプもあるため注意が必要です。
| 高血圧の診断基準(診察室と家庭血圧)

病院やクリニックで測る「診察室血圧」では、上が140mmHg以上、または下が90mmHg以上で高血圧とされています。
自宅で測る「家庭血圧」では、リラックスした状態で測るため、上が135mmHg以上、または下が85mmHg以上が目安です。「下の血圧が高いだけ」の場合でも、高血圧として治療が必要になることがあります。
| 下が100mmHg前後なら、一度は医師に相談を
下の血圧が100mmHgを超える状態が続いている場合は、症状の有無にかかわらず一度は医師に相談することをおすすめします。
とくに、
・頭痛や動悸、息切れなどが気になる
・家族に脳卒中や心筋梗塞の人がいる
といった場合は、できるだけ早めに受診しましょう。対面診療で詳しく検査したうえで、状態が落ち着いていれば、オンラインでの継続治療も選択できます。
なお、血圧が180/120mmHg以上で、強い頭痛や胸の痛み、息苦しさを伴う場合は、救急受診が推奨されます。
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| 下の血圧が高くなる主な5つの原因
下の血圧が高くなる背景には、日々の生活習慣や体質が関係していることが多くあります。
とくに、次の5つはよくみられる原因です。
② 運動不足
③ 塩分・アルコールのとり過ぎ
④ 喫煙(たばこ)
⑤ 更年期・加齢によるホルモンバランスの変化
当てはまるものがないか、チェックしながら読んでみてください。
| ① 肥満(とくに内臓脂肪が多い)

お腹まわりに脂肪がたまると、血圧を上げるホルモンや神経が働きやすくなります。
その結果、血管にかかる圧力が高まり下の血圧も上がりやすくなるのです。「ベルトの位置がきつくなってきた」という方は、内臓脂肪の増加が隠れていることがあります。
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| ② 運動不足
普段ほとんど体を動かさない生活が続くと、血管のしなやかさが失われやすくなります。
筋肉量が減り、血液を全身に送り出す力が弱まると、血圧が上がりやすい体質になります。デスクワーク中心で一日中座りっぱなしの方は、とくに注意が必要です。
| ③ 塩分・アルコールのとり過ぎ
塩分をとり過ぎると体内に水分をため込みやすくなり、血液の量が増えて血圧が上がります。外食やコンビニ食が多い方は、知らないうちに塩分をとり過ぎている可能性が少なくありません。
アルコールの飲み過ぎも、交感神経を刺激して血圧を上げる原因になります。
| ④ 喫煙(たばこ)

タバコに含まれるニコチンは、血管を急に収縮させ一時的に血圧を大きく上げます。
その影響は1本だけでもしばらく続きますし、長い目で見ると血管そのものを傷つけます。その結果、動脈硬化が進みやすくなり、さらに下の血圧も高い状態が続きやすくなるのです。
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| ⑤ 更年期・加齢によるホルモンバランスの変化
年齢を重ねると、血圧を調整する仕組みが少しずつ変化していくものです。
男性では中高年以降、女性では更年期前後から、血圧が上がりやすくなることが知られています。
「これまで血圧は低めだったのに、最近高くなってきた」という方は、加齢による影響も考えられます。
| 【原因別】下の血圧を下げるための「最初の一歩」
「生活改善と言われても、何から始めていいのかわからない」という声をよく聞きます。
いきなり完璧を目指さなくても構いません。原因に合わせて、小さな一歩から始めることが大切です。
| 自分でできる生活習慣の工夫

肥満や運動不足が気になる方は、
・いつもエスカレーターではなく階段を使う
など、続けやすい目標から始めましょう。
塩分の多い食事が気になる方は、
・麺のスープは飲み干さない
といった工夫が有効です。
アルコールの気になる方は
・一日の量を決めてそれ以上は飲まない
と決めてみましょう。
ストレスや睡眠不足が気になる方は、
・リラックスできる時間を意識して作る
などのことも役立ちます。
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| 医師に相談して進める治療(高血圧外来・禁煙外来・オンライン診療)
生活を見直しても血圧の高い状態が続く場合や下の血圧が100mmHg以上の方は、自己判断だけで様子を見るより、医師に相談したほうが安心です。
高血圧外来では、生活習慣の見直しにくわえて、必要に応じて降圧薬による治療を行います。喫煙している方は、禁煙外来で治療薬を使いながら、無理のない禁煙を目指せます。シフト勤務などで通院時間の確保が難しい方は、オンライン診療を併用することで、受診のハードルを下げることも可能です。
なお、降圧薬などの定期的なお薬の処方が必要な場合は、血液検査などによる評価が定期的に必要となります。そのため、オンライン診療だけでなく、対面診療との組み合わせて治療を進めていくことが大切です。
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| まとめ:「下の血圧」は体からの大切なサイン。ひとりで悩まず相談を
下の血圧が高い状態は、自覚症状が乏しくても将来の脳卒中や心筋梗塞のリスクを高める大切なサインです。
とくに、下が100mmHg前後の状態が続く場合や、上も高めの方、喫煙や肥満などのリスクが重なっている方は、早めに専門家に相談することで、将来の病気を予防できる可能性が高まります。
「忙しいから」「まだ大丈夫」と先のばしにせず、まずは一度、現在の状態を確認してみませんか。当院では、オンライン診療を通じて、あなたの生活に合わせた血圧の調整を一緒に考えていきます。


