食べてもすぐお腹が空くのはなぜ?女性の生理や血糖値の影響と対処法を紹介
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監修者
執筆者:松原知香 (管理栄養士)
目次
1 食べてもすぐお腹が空くのは血糖値の影響かも
2 すぐにお腹が空く原因とは
2.1食べ方やメニュー
2.2睡眠不足
2.3ストレスのためすぎ
2.4女性は生理前のホルモンが関係
3 すぐにお腹が空くのは糖尿病の初期症状?
3.1不安なときは受診を検討
4 止まらない食欲を抑える対処法
4.1血糖値の急上昇を防ぐ食べ方
4.1.1ベジファースト・プロテインファースト
4.1.2よく噛んで食べる
4.1.3食べる量を減らして回数を増やす
4.2適度にストレスを発散する
4.3食欲を抑える漢方の活用
5 まとめ
さっきご飯を食べたばかりなのにすぐにお腹が空いてしまうという体験、一度はされたことがありますよね?
満腹になるまで食べたのに、少し時間が経つとお腹が空く原因のひとつは、血糖値の変化かもしれません。さらに女性は、生理によるホルモンの変化も関係している可能性があります。
今回は、食べたのにすぐお腹が空く原因から対策法を解説します。
ダイエット中に食欲をコントロールしたい方は必見です。ぜひ最後までご覧ください。
食後すぐにお腹が空く原因のひとつは、血糖値の急上昇と急降下です。
血糖値とは血液中に含まれるブドウ糖の濃度で、食事から糖質を摂取すると血糖値が上がります。
さらに、血糖値が上がるとインスリンというホルモンが分泌され、血糖値を正常値まで下げてくれるのです。
ところが、何らかの影響で血糖値が急上昇すると、私たちの体は血糖値を下げようとして大量のインスリンを分泌するため、反動で血糖値が急降下します。
血糖値が急に下がったことを受け、脳から「血糖値を上げなさい」と指示が出るため、食事を摂って血糖値を上げようとします。その際、空腹を感じるのです。
先ほども触れた通り、空腹を感じる際は血糖値の急上昇・急降下があります。血糖値の変動に影響を与えるものや、血糖値以外の要因で空腹を感じる際に体で起こっていることについてご紹介します。
早食いは糖質を摂るスピードが早くなるため、血糖値の急上昇につながります。また、野菜や汁物よりご飯を先に食べ始める食べ方も、血糖値に影響を与えます。
さらに、糖質の多いメニューや主食(ご飯、パン、麺類)の食べ過ぎは糖質の摂取量が多くなるため、血糖値の急上昇を招く原因となるのです。
睡眠不足は、インスリンの効きを悪くし血糖値が急上昇する状態を招くため、食欲が増進しやすくなります。
また、睡眠不足は血糖値以外にも以下のような影響を与えるため、食欲がとまらなくなると考えられているのです。
・食欲を増進するホルモンの分泌増加
ちなみに海外の研究では、習慣的に睡眠時間が短い(5時間程度)の方と適切な睡眠時間(8時間)の方の、食欲に関するホルモンについて比較した発表があります。(※)
それによると、睡眠時間が短い方は適切な睡眠時間の方よりも、食欲を抑えるホルモンの分泌は15.5%低く、食欲を増進するホルモンの分泌は14.9%高くなるという結果も報告されています。
ストレスを受けると、セロトニンという食欲を抑えるホルモンの分泌が低下します。
そのため、慢性的にストレスをためすぎていると空腹を感じやすく「やけ食い」につながってしまうのです。
女性で「食べてもすぐお腹が空く」と感じる場合は、生理前のタイミングが多いでしょう。これは、生理前に増加するプロゲステロンというホルモンによる影響です。
さらに生理前の食欲増加は、PMS(生理前症候群)の症状のひとつでもあります。
PMSとは、生理約1週間前から現れる不調のことです。食欲が増加する方もいれば、減少する方もいます。
PMSは、月経の3~10日前の黄体期に起こり、月経が来ると症状が弱まり、やがて消えていく症状の総称です。具体的には以下のような症状があります。
体質症状:乳房の張り、むくみ、便秘、腹痛、頭痛、肩こり、体重増加、めまい、のぼせ
その他:肌荒れ、ニキビ、生理痛、下腹部の張り、吐き気、下痢
症状を自覚する時期や症状の内容が上記に当てはまる場合はPMSの可能性があるといえるでしょう。PMSにお悩みの場合はお薬で改善できる可能性が高いです。
当院では、相談からお薬の処方までオンラインで完結できるため、お気軽にご相談ください。
すぐにお腹が空いてしまう場合は、糖尿病の可能性もあり得ます。
なぜなら、糖尿病の初期はインスリンが過剰に分泌されやすく、血糖値が下がり過ぎてしまうために空腹を感じるからです。
糖尿病は初期症状がほとんどなく、よく聞く口の渇きや多尿といった症状はかなり進行してから現れます。
食後に血糖値が急上昇する方の場合、健康診断などで測定する空腹時血糖値は正常な場合が多いため、異変を見逃す可能性もあります。そのため、不安なことがあれば医療機関の受診を検討するとよいです。
空腹を感じるままに食べていたら太ってしまうことは、誰でも想像できますよね。
ここからは、食欲をコントロールする方法についていくつかご紹介します。
血糖値の急上昇による食欲の増加に対しては、3つの方法があります。
「ベジファースト」とは、ご飯やパン、麺類よりも野菜のおかずや汁物を先に食べることです。野菜やきのこ、海藻類に多く含まれる食物繊維は、糖の吸収スピードを緩やかにする効果が期待できます。
そのため食後の急な血糖上昇の抑制が期待でき、さらに反動で起こる血糖の急降下が起こりにくいといえるでしょう。
また、プロテインファーストとは肉や魚、大豆製品といったたんぱく質(プロテイン)を豊富に含んだ食材から食べ始めることです。こちらもベジファースト同様、食後の血糖上昇の抑制が期待できます。
よく噛むことは、脳の満腹中枢を刺激して食べ過ぎの防止につながります。また、よく噛み時間をかけて食べることで早食いも防げるため、血糖値の急上昇・急降下も避けられる可能性があります。
どうしてもすぐにお腹が空いてしまう方は、1回の食事量を減らして回数を増やす「少量頻回食」を検討するのも1つの方法です。
その際毎食高カロリーな食べ物を摂るのではなく、できるだけカロリーの低いものを選んだり、1日全体の食事バランスを整えるように意識すると、ダイエット成功にもつながりますよ。
ストレス発散の機会を作ることで、ストレスによるやけ食いと血糖値の急上昇を防ぐことにつながります。
運動や趣味などストレスの発散法は人それぞれですが、その場ですぐに方法が思いつかない方は「コーピングリスト」を用意しておくとよいでしょう。
コーピングとは、「ストレスへの対処法」という意味の心理学の用語で、それをリスト化したものがコーピングリストです。
じつは、漢方の中には食欲を抑える働きが期待できるものもあるのです。
漢方は自律神経に働きかけて、体の調子を整える作用があるといわれています。ただし、その効果についてわかっているのは一部で、いまだ解明されていない点も多くあります。
そのため、漢方を用いて食欲をコントロールする際には個人に合わせた漢方選びが重要です。
検討したい場合は、一度医師へ相談してみるとよいでしょう。
食べても食べてもお腹が空いてしまう…そんなお悩みのある方は、血糖値の急上昇と急降下が原因のひとつかもしれません。
・早食いや糖質の摂りすぎ
・睡眠不足
・ストレスのためすぎ
上記のような原因に心当たりがある方は、自分の生活スタイルを見直して改善するとよいでしょう。女性の場合は生理前のホルモンの影響もあります。
食欲を抑える方法としては、以下の3つをご紹介しました。
・血糖値に配慮した食べ方
・適度なストレス発散
・漢方薬を用いる
とくに食べ方についてはすぐにできるものばかりなので、ぜひ試してみてください。
また、漢方薬の活用については個人に合わせて選ぶことが求められるので、食欲のコントロールで漢方を取り入れたい方は、一度医師に相談することも検討してみてはいかがでしょうか。
参考文献
国立長寿医療研究センター 睡眠と健康の関係について
So-Ngern A, Chirakalwasan N, Saetung S, Chanprasertyothin S, Thakkinstian A, Reutrakul S. Effects of Two-Week Sleep Extension on Glucose Metabolism in Chronically Sleep-Deprived Individuals. J Clin Sleep Med. 2019 May 15;15(5):711-718. doi: 10.5664/jcsm.7758. PMID: 31053213; PMCID: PMC6510689.
Taheri S, Lin L, Austin D, Young T, Mignot E. Short sleep duration is associated with reduced leptin, elevated ghrelin, and increased body mass index. PLoS Med. 2004 Dec;1(3):e62. doi: 10.1371/journal.pmed.0010062. Epub 2004 Dec 7. PMID: 15602591; PMCID: PMC535701.
日本農芸化学会 化学と生物 食べ方と食べる時間が血糖変動に影響を与える
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