ピルを飲むと太るって本当?2つの理由と対策・よくある質問を解説
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目次
1 ピルの副作用で太るって本当?
1.1 ピルに太る成分は含まれていない
1.2 ピルに期待できる効果
1.3 ピルの副作用
2 ピルは太ると誤解される理由とは
2.1 むくみ
2.2 食欲増進
3 ピルの副作用で太らないための対策
3.1 ピルの種類を変更する
3.2 3ヶ月以上継続して服用する
3.3 睡眠の質をあげる
3.4 食生活に気をつける
4 ピルの副作用でむくんだときの対策
4.1 塩分を控えた食事を意識する
4.2 着圧ソックスを使用する
4.3 アルコールを控える
4.4 むくみ取りマッサージをする
4.5 漢方薬を活用する
4.6 しっかり湯船に浸かる
5 ピルについてのよくある質問
5.1 ピルの服用をやめたら太ることはない?
5.2 ピルの副作用はどれくらい続く?
5.3 ピルを服用してはいけない人は?
5.4 将来の妊娠に影響は?
6 まとめ
ピルは避妊だけではなく、生理のお悩みや病気の治療など、正しく服用すれば女性にとってさまざまな効果が期待できる薬です。
しかし、「ピルを飲むと太る」という噂を聞き、服用を迷ってしまう方も少なくありません。
ピル自体に太る成分は含まれていませんが、2つの理由から一時的に体重が増える可能性はあります。
この記事では、ピルを飲むと太るという噂の理由や対策を、詳しく解説します。
ピルに対して不安や疑問がある方や、太らない対策を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
ピルの服用により太るという噂は、ホルモンバランスの変化による一時的なものと考えられます。
日本産婦人科学会が発表している「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」でも、『体重増加との間の因果関係は立証されなかった』としていることからも、ピルを服用しても体重増加との因果関係は立証されていません。
ここではどうしてピルを飲むと太ると噂になるのかを知るために、ピルの効果や副作用について詳しく解説します。
ピルとは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類の女性ホルモンが配合されている経口避妊薬です。
エストロゲンとプロゲステロンは太る成分ではないため、ピルを服用したから太るというわけではありません。
この2つは女性の体内に元々あるホルモンで、約1ヶ月の間に増減して生理周期に関わったり、肌の調子や体調に影響したりする、女性にとって重要な役割を担っています。
ピルによってホルモンバランスを整えることで、排卵が止まります。
そのため、避妊や生理の症状改善、子宮や卵巣に関する病気の進行を抑制するなど、さまざまな効果が期待できます。
ピルを服用することにより、以下のような効果が期待できます。
・生理周期を整える
・生理に関するトラブルの軽減
・PMS(月経前症候群)の軽減
・ニキビや肌荒れの軽減 など
ピルを飲むと身体が妊娠中と同じような状態になるため、排卵が抑制されて受精しない仕組みです。
生理周期が乱れがちな方や、生理の日をずらしたい方も、ピルで調整が可能です。
ピルの服用でホルモンバランスが整うことによって、月経前困難症、月経過多などの生理に関するトラブルや、PMS(月経前症候群)、ニキビや肌荒れも改善が期待できます。
また、子宮内膜の増殖を抑え、子宮内膜症の進行の抑制や女性特有の子宮に関する病気(子宮がん、卵巣がんなど)の予防にもつながります。
ピルは女性ホルモンを整える効果が期待できますが、その過程で以下のような副作用が起きる可能性があります。
・頭痛
・だるさ
・むくみ
・食欲増進
・乳房痛
・不正出血
・血栓症 など
血栓症以外の症状は、マイナートラブルと呼ばれています。ピルの飲み始めに起きやすい副作用です。
ほとんどの場合は2~3ヶ月ほどピルを飲み続けることにより、ホルモンバランスが安定して症状は治まります。
注意しなければいけないのは、血栓症(静脈血栓塞栓症)のリスクです。
血栓症とは、血管の中に血栓ができて血流を妨げてしまう病気のことで、ピルに含まれるエストロゲンの血液凝固作用により、発症する可能性があります。
血栓症の服用リスク因子は、肥満、喫煙、高年齢などがあるため、ピルが処方できない場合もあります。
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ピルには太る成分が含まれていないのに、どうして太ったと感じてしまうのか、理由は2つ考えられます。
ピルに配合されているホルモンの作用で起こる、むくみと食欲増進です。
ここでは、ピルを飲むと太ると噂される、2つの理由について詳しく解説します。
ピルの副作用(マイナートラブル)にあるむくみは、太ったように感じる理由の1つです。
プロゲステロン(黄体ホルモン)は、種類によっては水分を溜めやすくなる副作用があります。
実際に体重が増加する場合もありますが、体重の変化がなくてもむくみによって見た目が太ったように感じてしまうこともあるかもしれません。
ピルの副作用はホルモンバランスの変化により起こるため、2~3ヶ月ほど服用を続けることで体内のホルモンバランスが整うと、症状が軽減される可能性が高いでしょう。
むくみが理由で太ったと感じても一時的な場合が多いですが、ピルの服用を続けても症状が改善されないときは、医師に相談してください。
ピルに含まれるプロゲステロン(黄体ホルモン)による食欲増進の作用で食べ過ぎてしまうことも、太る原因になるでしょう。
プロゲステロンは生理前に分泌が多くなり、妊娠に必要な栄養を蓄えようと食欲が増す特徴があります。
ピルを服用し始めの時期は、この作用で食べたい欲求が高まり、その結果体重が増えてしまうこともあるかもしれません。
ホルモンバランスが整えば身体が慣れてくるため、2~3ヶ月はピルの服用を続けてみてください。
しばらく服用していても食欲増進の症状が治まらない場合は、医師に相談してピルの種類の変更を検討してみましょう。
ピルの服用は、避妊だけではなく生理に関するお悩みの改善や病気の治療など、女性にとってさまざまな効果が期待できます。
しかし、むくみや食欲増進などの副作用で太るかもしれないと、気になる方も少なくありません。
ここでは、ピルの副作用で太らないための対策を紹介します。
ピルの服用を2~3ヶ月続けても副作用が治まらない場合は、種類を変更すると症状が改善される場合があります。
ピルには低用量ピル、超低用量ピル、中用量ピルなどの種類があり、その中でもさまざまな種類があるため、現在服用しているピルが身体に合っていない可能性があるのです。
プロゲステロンの種類によりアンドロゲン活性が異なるため、体質に合わせて副作用が現れにくいピルを選択する必要があります。
服用を始めてすぐは診断がしづらいため、2〜3ヶ月を目安にして症状が治まらない場合は、医師に相談しましょう。
ピルに含まれる女性ホルモンが身体に馴染むまでは、マイナートラブルと呼ばれる副作用が起きやすいため、2~3ヶ月は服用を継続して様子を見ましょう。
太る理由であるむくみや食欲増加は、ピルの服用を続けてホルモンバランスが整うことで、ほとんどのケースは少しずつ治まってきます。
3ヶ月以上経っても症状が治まらない、強まるなどの場合は、我慢せずに医師に相談するとよいでしょう。
また、ピルを服用したり、しなかったりを繰り返すと、ホルモンバランスが安定せず副作用が治まらない可能性があるため、飲み続けることが重要です。
質のよい睡眠を取ることで、空腹を感じるホルモンの分泌を抑える効果が期待できます。
睡眠不足や深く眠れないなどの状態が続くと、体内でグレリン(食欲増進ホルモン)が分泌が増え、逆にレプチン(食欲抑制ホルモン)の分泌が減ってしまいます。
睡眠の質をあげるには、以下のような点を意識してみてください。
・寝る前に心身ともにリラックスする
・日中に適度な運動をする など
入眠しやすいアロマオイルを使用したり、音楽を流したり、リラックスして睡眠に集中できるような環境を作るとよいでしょう。
ピルの副作用で食欲増進の症状がある場合は、食べすぎを防ぐ食生活を意識しましょう。
・食事量を調節する
・よく噛んでゆっくり食べる
・食物繊維を多めに食べる など
ピルの副作用としては一時的なものかもしれませんが、健康のためにも食生活が乱れないように注意してください。
ただし、痩せようと無理な食事制限をしてしまうと、必要な栄養素が摂取できず体調不良を引き起こしてしまう可能性もあるため、過度な制限はしないようにしましょう。
また、テレビやスマホを見ながら食べたり、気づいたらそばにあった甘いものを食べていたりすると、どれくらい食べたのかもわかりづらく、満腹感が得られず食べ続けてしまいがちです。
食事に集中して食べる、間食用のお菓子を近くに置かないなど、無意識に食べてしまうのを防ぐ工夫をしてみましょう。
ピルを飲み始めてから、顔や足が張っていたり、指の跡が残ったりしていたら、むくみのサインです。
ピルの副作用でむくみが発症したときは、以下のような対策をしてみましょう。
一般的なむくみ解消の方法ですが、ピルのリスクでもある血栓症の予防にもつながります。
塩分(ナトリウム)は水分を溜め込む性質があるため、取りすぎには注意してください。
外食やお惣菜などには塩分が多く含まれていて、味も濃くなりがちです。
むくみが気になるときには、出汁やスパイスを活用して塩を控えた調理を心がけ、塩分を取りすぎないようにしましょう。
市販の着圧ソックスを使用するのも、むくみの改善に役立ちます。
ふくらはぎに圧力をかけて、血流をよくしてむくみを取る効果が期待できます。
ドラッグストアやインターネット通販などで購入ができ、サイズや着圧の程度も選べるためおすすめです。
ただし、むくみが弱い場合は効果が低くなる可能性もあり、足が痛むほど締め付けが強いと感じたら、使用を中止してください。
アルコールはむくみの原因になる可能性があるため、控えましょう。
アルコールを摂取すると、血管拡張作用によって身体の水分が血管から漏れやすくなり、皮膚の下に余分な水分が溜まってむくみにつながります。
さらに、アルコールには利尿作用があるため体が脱水状態に陥りやすく、水分を摂ることでよりむくみやすくなります。
飲酒自体は量に気をつければ問題ありませんが、嘔吐をしてしまうとピルの効果が正しく発揮されないこともあるため、飲みすぎには注意して適量に留めるようにしましょう。
血行が悪くなってしまうとむくみが発症しやすくなるため、オイルマッサージや軽いストレッチなどでむくみを解消しましょう。
足首から上に向かってなぞり上げる、座ったまま足首を動かすなど、簡単な動きでも意識して行いましょう。
寝た姿勢で足を上げて天井に向けながら、足首を回す、ふくらはぎを伸ばすなどの動きも血行が良くなりむくみが取れると期待できます。
ピルと併用できる漢方薬もあるため、むくみ取りの効果が期待できる漢方薬を取り入れることもできます。
ただし、セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)が含まれている漢方薬は、ピルの効果が弱まってしまうため、併用できません。
むくみの改善に効果が期待できる漢方薬は、体質や症状に合わせて処方が必要なため、医師に相談してみましょう。
シャワーだけではなく、しっかり湯船に浸かる入浴はむくみの改善につながります。
身体を温めて血行が良くなり、湯船の水圧でむくみ解消の効果も期待できます。
湯船の中でふくらはぎのマッサージをするのも、血行が良くなるため試してみてはいかがでしょうか。
ただし、熱すぎるお湯は血管が収縮してしまうため、少しぬるい程度の温度でゆっくり入浴するのがよいでしょう。
ピルの服用について、よくある質問をまとめました。
ピルを飲む前に疑問がある方は、解消しておきましょう。
副作用によるむくみや食欲増進が体重増加の原因だった場合は、ピルをやめたら太らなくなるでしょう。
ピルの服用をやめたら、エストロゲンとプロゲステロンの供給がなくなりホルモンバランスが元に戻るため、ピルの副作用であるむくみや食欲増進はなくなります。
ただし、ピルを飲んでいる間は安定しているホルモンバランスが元に戻ります。
もしも、ピルの服用を再開する場合は、2~3ヶ月の間は再び副作用が起きる可能性があるため、服用をやめる判断は慎重に行いましょう。
ピルの副作用の中でも、マイナートラブルと呼ばれる症状は、ほとんどの場合2〜3ヶ月かけて少しずつ治まります。
その間、きちんとピルを飲み続けることによって、体内のホルモンバランスが整い安定すると、副作用がなくなっていく傾向があります。
以下のような方は容認できない健康上のリスクがあるとして、ピルの処方ができません。
・高血圧(160/100mmHg以上)
・妊娠、授乳中、分娩後(6週以内)
・持病がある(心血管疾患、片頭痛、乳房疾患、虚血性心疾患患者、脳卒中、心弁膜疾患、糖尿病、肝硬変、
肝腫瘍、静脈血栓塞栓症など)
また、これらの条件に当てはまらなくても、利益を上回るリスクがあると診断された場合はピルの処方ができないことがあります。
ピルを飲むのをやめれば、元の体のサイクルに戻り、排卵が再開するため妊娠が可能です。
ピルはホルモンバランスを調整して、身体を妊娠しているのと同様の状態にすることにより、排卵を抑制する薬です。
個人差がありますが、ほとんどの場合はピルを飲むのをやめてから半年以内に排卵や生理が再開して、妊娠可能な状態に戻ります。
また、ピルの服用による次世代への影響はほとんどないとされているため、妊娠計画の参考にしてください。
ピルを飲むと太るというのは、ピルに含まれるホルモンの副作用であるむくみや食欲増進によるものであり、ピル自体に太る成分は含まれていません。
太るかもしれないからとピルの服用を迷っている方は、マイナートラブルが治まるまでの3ヶ月間は副作用を軽減したり、太らないように気をつけたりすることで、ピルのメリットを得られます。
生理痛やPMSでお悩みの方や、避妊を希望される方はピルを活用することで快適に過ごすことができる可能性があります。
当院では、オンライン診療により患者様のお悩みに適したピルを処方します。ピル処方の場合は診察料は0円、お得な割引のあるまとめプランをご用意し、副作用の緩和のための漢方薬処方も可能です。
生理に関するトラブルに悩んでいる方、ピルについて疑問のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
参考文献
厚生労働省 経口避妊薬(OC)の有効性についてのとりまとめ
「カリウム」健康づくりサポートネット
日本産婦人科学会 低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン 改定版
低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン(案)
中島 紀江他(2023)成人女性における下肢のむくみと月経周期の関連27(3).295-304.
児島 将康(2011)グレリンによる摂食調整のメカニズム43(2).87-90.
根本 由紀子他(2014)下肢へのオイルマッサージが健康成人に及ぼす影響―複合手技による検討―39(2).47-52.
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