禁煙で一番辛いのは何日目?~離脱症状への対処法と禁煙成功のコツ~
監修者:シンクヘルスクリニック院長 産婦人科専門医 大村 美穂
執筆者:ライター 白濱 由梨 (臨床心理士・公認心理師)
目次
1 禁煙で一番辛いのは2~3日目
2 辛さはいつまで続く?
2.1離脱症状のピークは2~3日目
2.2心理的依存は長期にわたり続く
3 禁煙成功のためにー3つのポイントー
3.1事前の準備をしっかり行う
3.2タバコを吸いたくなったら
3.3禁煙補助薬と禁煙外来を利用する
4 まとめ
タバコが健康によくないことは誰もが知っていますよね。しかし、タバコには依存性があるため、やめたくてもなかなかやめられないという方も多いです。
禁煙をするとほとんどの人が「辛い」と感じるといわれています。一番辛いのは何日目なのか、そしてその辛さはどのくらい続くのでしょうか?
今回は禁煙に伴う辛さの正体と、辛さを乗り越え禁煙を成功させるためのポイントについてご紹介します。禁煙したいけど自信がない、または現在禁煙中という方は、ぜひ最後までお付き合いください。
感じ方に個人差はありますが、禁煙を始めて一番辛いのは2~3日目と答える方が多いです。その理由について、以下で解説します。
結論からいうと、2~3日目をピークに、その後少なくとも数か月間は辛い時期が続きます。
そもそも、なぜ禁煙は辛いと感じるのでしょうか。大きな理由は以下の2つが挙げられます。
・離脱症状
・心理的依存
タバコに含まれるニコチンには依存性があります。ニコチンが切れると、個人差はありますが以下のような離脱症状があらわれます。
・イライラ
・タバコが吸いたいという欲求
・頭痛
・落ち着かなさ
・倦怠感
これらの離脱症状はタバコをやめて2~3日の間にピークを迎えます。禁煙2~3日目が一番辛いと感じる人が多いのは、このためです。
その後は、2週間程度かけて徐々に症状が落ち着いていき、1か月経つ頃にはおさまるといわれています。
タバコは日常生活と密接に結びついた習慣です。食後、仕事の休憩時、朝起きてすぐ、などこれまで習慣として吸っていた場面でタバコを吸いたくなる気持ちが出てきます。
また、「タバコを吸うと頭がスッキリする」「食後のタバコは美味しい」など、タバコへのよいイメージをもち続けることも心理的依存のひとつであり、禁煙を難しくさせているのです。
心理的依存は、個人差はあるものの数か月から数年程度続くといわれています。しかしその強さは日ごとに弱くなり、タバコのことを考える瞬間は着実に減っていくものです。この頃には、禁煙継続に対して少しずつ自信が出てくる方もいるでしょう。
ただ、「1本くらいなら大丈夫だろう」という油断が生まれやすい時期でもあるため、注意が必要です。
禁煙に失敗した人の多くが、禁煙から3か月以内に再びタバコを吸ってしまっています(※)。
少なくとも3か月間は、このあとご紹介するポイントを参考にしながら対策を続けるのがよいでしょう。
タバコを吸っていた年数が長ければ長いほど、意志の力だけで禁煙するのは困難になります。禁煙成功に向けて、3つのポイントをご紹介します。
いつでもタバコが吸える環境の中で禁煙するのは、誰でも難しいものです。まずはタバコそのものや、タバコを吸うのに必要な道具(灰皿、ライターなど)をすべて処分してから禁煙を始めましょう。
また普段自分がタバコを吸いたくなる状況を確認しておくことは心理的依存への対策としても重要です。
たとえば居酒屋や駅前の喫煙所などでタバコを吸うことが多かった方は、可能な限りその場所へは近づかないで済むように、予定の調整や歩くルートを見直しておきましょう。
食後にタバコを吸うのが習慣になっていた方は、食べ終えたらすぐに歯を磨くなど、別の行動をとることをおすすめします。
離脱症状を乗り切るための対処法をご紹介します。
・刺激の強い飴やガムを口に入れる
・深呼吸する
・歯を磨く
・人と話す
これらの対処法は、禁煙開始前から練習しておき、すぐに使えるようにしておくといいですね。
タバコが吸いたいという欲求が1日中続くことはなく、強い欲求が出てくるのはせいぜい数分程度といわれています。禁煙中に突然タバコが吸いたくなっても、気をそらしたり、別の行動をとることで乗り切ることが大切です。
離脱症状への対処として、禁煙補助薬を使うという方法もあります。
禁煙補助薬のひとつであるニコチンパッチを使って禁煙した場合、通常と比べて禁煙成功率が1.6倍も上がったという研究があります(※)。
※Hartmann-Boyce J, Chepkin SC, Ye W, et al.(2018). Nicotine replacement therapy versus control for smoking cessation. Cochrane Database Syst Rev 5 : CD000146.
なお、ニコチンパッチは医療機関だけでなく、ドラッグストアでも購入が可能です。しかし、医療機関で実施している禁煙外来を利用すると、禁煙補助薬の処方とあわせて医師のサポートを受けることができます。定期的な医師との面談は禁煙にまつわる心配ごとや不安を相談できるので、とても心強いですね。
自力での禁煙は自信がないけど、なかなか通院する暇がないという方は、オンライン診療を活用するという方法もありますよ。
以上、禁煙に伴う辛さの正体と、辛さを乗り越え禁煙を成功させるためのポイントについて解説しました。
禁煙で一番辛いのは、離脱症状がピークを迎える2~3日目です。
離脱症状には、
・イライラ
・タバコが吸いたいという欲求
・頭痛
・落ち着かなさ
・倦怠感
などがあります。
しかし、離脱症状がおさまったあとも、日常の中でふとタバコが吸いたくなる心理的依存は長期的に続きます。
禁煙成功のためには、
・タバコが吸いたくなったときの対処法をあらかじめ練習しておく
・禁煙補助薬や禁煙外来を利用する
ことがポイントです。
禁煙外来を利用することで、離脱症状を緩和してくれる禁煙補助薬が使えたり、定期的な医師との面談で禁煙継続をサポートしてもらえます。
忙しい方はオンライン診療の活用もおすすめですよ。
この記事があなたの禁煙成功や健康的な生活に役立つことを願っています。
【参考文献】
厚生労働省 令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要
日本医師会 禁煙は愛 | 禁煙推進Webサイト
厚生労働省 喫煙 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
Hartmann-Boyce J, Chepkin SC, Ye W, et al.(2018). Nicotine replacement therapy versus control for smoking cessation. Cochrane Database Syst Rev 5 : CD000146.
一般社団法人 日本循環器学会 禁煙ガイドライン
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