胃もたれが続く女性の原因や症状を解説~治らないときの対処法も~
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監修者:シンクヘルスクリニック院長 産婦人科医専門医 大村 美穂
目次
胃もたれが続くと原因が気になる一方で、
「胃もたれ程度なら病院に行かなくてもいいかな」
と考える方が多いのではないでしょうか?
今回は女性に多い胃もたれが続く原因や症状について、わかりやすく解説します。男性にも共通する胃もたれの原因や対処法もお伝えするので、ぜひ最後までご覧ください。
女性の胃もたれが続く原因として、
・妊娠
・更年期
が考えられます。
それでは、その理由を詳しくお話ししましょう。
PMSは月終前症候群のことで、症状の1つに胃の不調があります。
生理の始まるおおよそ1週間前から起こり、生理が始まるとともに改善することが多いです。
PMSはホルモンや生活習慣、ストレスといったさまざまな要因が重なって起こりえます。医療機関に相談したり生活習慣やストレスとの付き合い方を見直したりすることで、少し楽になるかもしれません。
個人差はありますが妊娠すると、
・胸やけ
・食欲不振
・吐き気・胃痛
といったいわゆる「つわり」の症状が起こります。
生理が遅れていて妊娠の可能性がある場合、胃もたれはつわりの症状かもしれません。妊娠検査薬で確認するか産婦人科を受診するとよいでしょう。
更年期の症状である自律神経の乱れによって、胃もたれを起こすことがあります。
自律神経は呼吸や消化活動など、生命維持にかかわる神経です。自律神経が乱れると食べ物の消化不良が起こり、結果的に胃もたれを引き起こす可能性があります。
更年期の症状や感じ方は人それぞれで、医療機関を受診するか迷う方も多いでしょう。まずは、更年期の症状を把握するためのセルフチェックをしてみるとよいですよ。
更年期のセルフチェックができるページは、こちらから
胃の不調である胃もたれや胸やけ、胃の不快感の原因は、
・加齢
・ストレス
・食事
・感染症
・胃の病気
・薬の副作用
などの場合もあります。上記は性別に関係ないので、男性の胃もたれの原因でもあります。
胃はぜん動運動といって、波打つような動きをして食べたものを消化しやすい状態に変化させて小腸に送る、というはたらきをもちます。
加齢によってぜん動運動が衰えると、食べたものが胃に長くとどまってしまいます。そのため、胃もたれの症状がおこる場合があるのです。
加齢やストレスによって自律神経が乱れることがあります。
更年期の症状でも触れましたが、自律神経が乱れると胃もたれなど胃の不調を引き起こすことも。
自律神経の乱れる原因は更年期だけでなく、
・加齢
・ストレス
・睡眠不足
などさまざまです。
なお自律神経を整えるには、食事・睡眠・運動といった生活習慣の改善が効果的です。
食べすぎや飲みすぎはいうまでもなく胃の負担となるため、胃の不調を引き起こす可能性が高いです。
また脂っこい料理や肉料理が続くような偏った食事は、消化に時間がかかり胃に負担がかかります。さらに夜遅い時間の食事や早食いも、胃の不調につながりやすいです。
胃の不調は、感染性胃腸炎やインフルエンザの初期症状の場合もあります。
感染性胃腸炎は吐き気・嘔吐・下痢・腹痛・発熱など、胃の不調が主な症状として挙げられる感染症です。
インフルエンザの症状は、38℃以上の発熱・頭痛・関節痛・筋肉痛・全身倦怠感などが代表的です。しかし人によっては、吐き気・嘔吐など胃の不調が出ることもあります。
胃の不調が起こっているときは、安静に過ごすように心がけましょう。
胃の調子が悪いときは、病気の可能性も考えられます。胃の病気は、
・胃がん
・胃潰瘍
・十二指腸潰瘍
・機能性ディスペプシア(※)
・慢性胃炎
などが挙げられます。
(※)症状の原因となる明らかな異常はないのに慢性的にみぞおちの痛みや胃もたれを感じる病気
胃の不調が続く場合や気になる点がある場合は、医療機関を受診しましょう。忙しく通院の時間がとれないときは、オンラインで診療を受けることもできます。
オンライン診療を受けると適切な薬を処方してもらえるだけでなく、対面での受診が必要かどうかの判断もしてもらえます。
胃の不調は、現在服用中の薬による副作用かもしれません。
たとえば、頭痛薬や解熱剤は胃痛や胃の不快感を引き起こす可能性があります。また、ピルは胃の不快感や吐き気といった副作用を感じる方が多いといわれています。
もし薬の副作用で胃の不調を感じている場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。
ちなみにピルの副作用である吐き気は、飲む時間帯の調整や吐き気止めの処方などで緩和できることもあります。受診時に、ぜひ医師と相談してみてくださいね。
胃の不調があっても、どの程度で受診すればよいかわからない方も多いでしょう。
そこで、受診をした方がよい症状をまとめました。
【胃の不調 受診チェックリスト】
▢ 長期間、胃の痛みが続いている
▢ 胃もたれ、胸やけがある
▢ 便秘や下痢を繰り返す
▢ 空腹時や食後といつも同じタイミングで痛みがある
▢ 市販薬を使い始めて、2週間以上症状が続いている
チェックのついた方は、受診を検討してみてくださいね。
なお、
・激しい腹痛がある
・水分を摂取するたびに嘔吐する
・血便、黒色の便が出る
・手足に力が入らない
といった症状のある方は、早めに近くの医療機関への受診を検討してください。
胃もたれなど胃の不調が続くときは
・病院での検査
・食生活を見直す
・生活習慣の改善
といった対処法があります。
まずは消化器内科を受診し、内視鏡検査などで胃の病気がないか調べましょう。
病気の有無を自分で判断するのは、難しいものです。少しでも気になる点があれば、検査することをおすすめいたします。
食べすぎや飲みすぎをくり返している方は、自分にとって適量の食事を知ることから始めるとよいかもしれません。
比較的かんたんに適量のバランスよい食事を把握するには、農林水産省の食事バランスガイドを使うのがおすすめです。
※農林水産省のHPより引用
1日に必要なエネルギー量を知り、主食・副菜・主菜・乳製品・果物を1日にどれだけ食べたらいいか知ることができます。
また早食いをしがちな方は、よく噛んでゆっくり食べるよう意識してみてくださいね。
生活習慣を改善すると乱れていた自律神経が整い、胃の不調がよくなることもあります。
生活習慣を改善するには、
・バランスのとれた食事
・適度な睡眠や休息
・運動習慣
を意識するとよいでしょう。
ストレスは、自律神経が乱れる大きな要因です。ストレスを完全になくすことはできませんが、対処することはできます。
そのためには、ストレスを感じたときの対処法をあらかじめ用意しておきます。そしてストレスを感じるたびに対処法を実践し、ストレスを溜めずに生活できるとよいですね。
関連記事
ストレスで生理が遅れるって本当?~生理不順の原因から整える方法まで~
以上、女性の胃もたれが続く原因として
・PMS
・妊娠
・更年期
が考えられるとわかりました。
さらに胃の不調が起こる原因は、
・加齢やストレス
・食事
・感染症
・胃の病気
・薬の副作用
といった場合もあります。
胃もたれをはじめとした胃の不調の原因は、さまざまです。食事をはじめとした生活習慣の改善やストレスとの付き合い方など、自分でできる対処法もあります。
ただし気になる症状がある場合は、医療機関を受診することで適切な対応を受けられる場合があります。忙しくて通院する時間がとれないという方は、オンライン診療を選択肢として検討してみるのも良いでしょう。
それではこの記事が胃もたれや胃の不調で悩むあなたの助けになれば、うれしいです。
参考文献
政府広報オンライン 薬の副作用かな?と思ったら すぐに医師にご相談を!
農林水産省 早分かり!食事バランスガイド
公益社団法人 日本産科婦人科学会 月経前症候群(PMS)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 高齢者の食欲低下について 〜年を取るとどうして食欲がなくなるの?
東京都感染症情報センター 感染性胃腸炎(ウイルス性胃腸炎を中心に) infectious gastroenteritis