PMSの悩みに漢方薬を活用〜症状を和らげる選び方を解説〜
執筆者:シンクヘルスクリニック院長 産婦人科医 大村 美穂
目次
1 PMSとは?
1.1身体に起こるおもな症状
1.2精神に起こるおもな症状
2 PMSに対して効果が期待できる漢方薬とは?
2.1当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
2.2加味逍遙散(かみしょうようさん)
2.3桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
3 漢方薬の選び方
4 まとめ
PMS(月経前症候群)は、生理の1週間前ほどから体と心に現れるさまざまな不調のことを指します。
身体症状はむくみや便秘など、精神症状はイライラや憂うつなどがあり、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。
そんなPMSの症状を和らげ、根本的な体質改善を目指す方法として注目されているのが「漢方薬」です。漢方薬は、個々の体質や症状に合わせた処方が可能で、副作用が少ない治療法です。
この記事では、PMSに対して効果が期待できる漢方薬の種類や選び方について詳しくお伝えします。
PMS(月経前症候群)とは、生理が始まる1週間前(女性の7~8割)ほどから何らかの身体的、精神的不調が自覚されることです。
PMSの症状はきわめて多様で、個人によって異なり、軽度から重度の症状までさまざまです。
以下はPMSの代表的な症状です。
・おなかの張る感じ
・消化器症状(便秘・下痢など)
・疼痛(頭痛、関節痛、筋肉痛、乳房痛、腰痛など)
・むくみ
・体重増加
・乳房が張る感じ
・皮膚症状(ニキビなど)
・自律神経失調症状(のぼせ、めまい、動悸)など
・急な気分の変動
・緊張状態
・イライラ、攻撃的(怒りやすい=易怒性)
・抑うつや、不安、涙もろい
・倦怠感、無気力
・パニック様状態
・集中力の低下、物忘れ
・孤独感
・食欲の異常増減、
・性欲の変化
・眠気、不眠など
漢方薬は、体と心のバランスを整えることを目的とした自然由来の治療法です。PMSの症状に合わせて処方が選べるため、自分の体質に合うケアが可能です。
以下は、PMSに対して効果が期待できるおもな漢方薬になります。
むくみや冷えや頭痛などの症状を和らげます。とくに冷え性の方に効果的とされています。
イライラなどの精神症状、のぼせなどの症状を和らげます。精神的な症状が強い方におすすめです。
おなかの張り、冷え、のぼせの症状を和らげます。
漢方薬は、自分の体質や症状に合ったものを選ぶことが大切です。
そのため、漢方薬に詳しい医師に相談することがおすすめです。自己判断で選んでしまうと、効果が得られにくいこともあります。
また、漢方薬は即効性よりも、毎日続けることで体質改善を目指すものです。栄養バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠の確保と併せて取り入れると、さらに効果が期待できます。
以上、PMSに対して効果が期待できる漢方薬の種類や選び方について解説しました。
PMS(月経前症候群)は多くの女性が経験する問題であり、身体的・精神的な不調が日常生活に影響を与えることもあります。
また、PMSに対して効果が期待できる漢方薬は以下の通りです。
・加味逍遙散(かみしょうようさん)
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
そして、漢方薬は自分の体質や症状に適したものを選ぶことが重要です。当院は、個別の症状やライフスタイルに合わせたものをご提案します。
漢方薬に関して、気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
この記事が、PMSの症状に悩む方が漢方薬を通して、少しでも快適な日常を取り戻す助けになれば幸いです。
診療内容一覧
月経に伴う症状 更年期障害 むくみ(加味逍遙散 当帰芍薬散 桂枝茯苓 丸五苓散)
かぜ(葛根湯 小青竜湯 桔梗湯 麻黄湯)
肥満 便秘 二日酔い 下痢(五苓散 防風通聖散)
肌の悩み(ニキビ)(防風通聖散 桂枝茯苓丸)